My Cinema Talk World: 80年代という特殊な時代。「ナインハーフ」

2013/10/29

80年代という特殊な時代。「ナインハーフ」


ナインハーフという80年代の映画をご存知の方…あまりいないかもしれないですね。
邦題「ナインハーフ」原題は「9 1/2 WEEKS」ほとんど、そのままです。
男と女が出会い、別れるまでの9週間半という期間を描いた作品です。
公開された当初は、映画のエロティックな部分ばかりが強調されて「セクシーほにゃらら」とか「エロティック・サスペンス」みたいななにやらその部分ばかり強調したような紹介のされかただったことを記憶しています。
それに加えて、ミッキー・ロークがブレークするきっかけとなった映画でもあります。
ミッキー・ローク。
いまは、すっかり形相も変わってしまい、フランケンシュタインっぽい雰囲気を醸し出しています。顔を別物にすげ替えてしまったとしか思えません、2枚目路線を捨てて怪物キャラに転向するためか?
で、私…TVの映画紹介のコーナーで初めてこの作品のトレーラーを目にしてなぜか心引かれたのですね。
キム・ベイシンガーのセクシーな下着姿とか、ベイシンガーとロークの絡みに興味を持った訳でもなく、(いや、それに惹かれたのも多少はありました。ほんとは)映像が独特でスリリング。「これは何かあるな….面白い展開が。」と想像を巡らせるシーン満載だったのです。とかく、映画のトレーラーってそういう風に創られていることは知っているものの、やっぱり映画館に行ってしまうワケなのですよ。
スモークや夜のニューヨークの景色、陰影そしてネオン、光を効果的に取り入れた手法でとても魅力的でわたくし好みな撮り方をするんですよね、エイドリアン・ラインという監督さん。
「フラッシュ・ダンス」や「危険な情事」の監督でもあるライン。
映像&音楽で惹き込むタイプの監督さんですね。
最近はどうしているのでしょうかね?


ストーリー
ニューヨークのギャラリーに勤めるバツイチのエリザベス(キム・ベイシンガー)は、画廊に勤める美しいキャリア・ウーマン。ある日、友達とチャイナタウンに行った際、ハンサムな男(ミッキー・ローク)に声を掛けられ、ときめいてしまう。翌日、ノミの市でスカーフをながめていた彼女。チャイナタウンで出会った男が、またも彼女の前に現れスカーフをプレゼントする。すっかり彼とうちとけ合い、レストランで食事をした。その後、2人は….

スタッフ監督      エイドリアン・ライン
脚本      パトリシア・ノップ、ザルマン・キング
製作      アンソニー・ルーファス・アイザック、キース・バリッシュ
公開      1986年全米公開
原題
      9 1/2 Weeks

キャストミッキー・ローク(ジョン・グレイ)、キム・ベイシンガー(エリザベス・マクグロウ)



【エロス満載…そして80年代のヤッピーと呼ばれた人たち】
確かに、目隠しやムチ、身体にハチミツとかベイシンガーの体当たり演技...
それはもうそういう面でもみどころ満載です、もちろん。
エリザベスがどんどん謎の男、ジョンにのめり込んで行きます。それはもう!仕事も手に付かないくらい!!
ジョンの秘密の家に連れ込まれ、まるで猫が主人にかまってもらうようにチヤホヤされたり、スリリングな逢瀬が愉しくて逢えないときもうずうずして仕方ないんです、彼女。
最初はお遊びのつもりがどんどんのめり込んでしまって、やがて心身ともに辛くなって行くエリザベス。自分でも深入りしない関係だと知っていても不思議とそうはいかなくなる。
ジョンという男はその時代(1980年代半ば)若くてお金も稼いでお洒落で...というヤッピーと称された人種。
お金を出せば何でも手に入るという、うらやましい人たち。
ある意味、表現はよろしくないですが、エリザベスはジョンにお金で買われているようなものかもしれません。お金に不自由していない彼女はそうは思っていないかもしれないけれど。。。
ヤッピーを扱った作品だと「アメリカン・サイコ」、「ウォール街」などがありますので、80年という特別な特殊な時代を知るためにも是非お見知り置き下さいませ。
ヤッピーというと、表側のイメージとは裏腹に倒錯した性、病んだ精神...ってイメージですね。
あ、この映画にちょい役(カメオ出演)でロン・ウッドも出てます。

【エリザベスとジョンの立ち位置】
特別な関係にすっかり疲れてしまったエリザベス。
耐えられなくなって、別れを切り出したのも彼女からでした。
確かにジョンに夢中になって何も見えなくなっていたのはエリザベスでした。
しかし、実のところは。。。
そうなんですね。
肉体的な関係から始まって、どんどん深みにはまって心まで動いてしまう。
支配される側と支配する側の関係…9 1/2weeksという期間の男女の変化。
結局はそうなるんだなーって感じました。
この映画はエロティックな部分を強調しながらも、実は2人の精神的な部分を描いている作品です。
9週間と半で男と女はどう変化して行くのか。
ラストの2人が離れて行くシーンがなんともいえません、特にミッキー・ロークの母性本能をくすぐるようなあの表情。
私は、80年代の名作だと思います。
「ナインハーフ」は夜のニューヨークの風景…夜。路上から吹き出す蒸気。ジョンとエリザベスが危険なお遊びに興じて走り回るシーンが、ハラハラで大好きですね♪
この時流れる音楽、ジョン・テイラーの "I Do What I Do"がピッタリでした、時々、思い出したように聴いていますwww



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