My Cinema Talk World: 「ダラス・バイヤーズクラブ」 ー 死を目前に人はどう行動するか!?

2014/03/18

「ダラス・バイヤーズクラブ」 ー 死を目前に人はどう行動するか!?

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突然ですが、先日「ダラス・バイヤーズクラブ」観てまいりました。
アカデミーの作品賞にノミネートされていた中で2番目に見たかったのがこの映画。もっとも見たいのが「her/世界でひとつの彼女」なんです(6月に公開らしくてまだまだ先...哀しい、3月末公開でもいいんじゃないですかねぇ)。
先日のアカデミー賞受賞式をYoutubeで見ておりましたが、主演男優賞と助演男優賞とダブル受賞でほんとよかった、文句なしの受賞です。
この映画のタイトルを初めてきいたとき、「賭博」とか「人身売買」に絡んだ話なのかとか、勝手に頭の中に渦巻いていました。ちょっと的外れだったようですね^^;
80代、HIV陽性とはエイズのことでありエイズということは同性愛者という烙印を否応なく押されてしまうような時代で、エイズ=死を意味する病気でした。
私が今、ここで頭に浮かぶ著名人でもエイズで亡くなった人たちは、デレク・ジャーマン、シリル・コラール、俳優のデンホルム・エリオット、クイーンのフレディ・マーキュリー、ロバート・メイプルソープ、などなど...そして映画の中にも名前が出ていた俳優のロック・ハドソンも。とにかく少なくありません。
90年代後半くらいからかな、エイズで亡くなったという話題を聞かなくなりました、ということはエイズを治す薬が出来たということなのでしょうか。

ストーリー

 1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レト)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが……。


(YAHOO映画)

キャスト
マシュー・マコノヒー - ロン・ウッドルーフ
ジェニファー・ガーナー - イヴ・サックス
ジャレッド・レト - レイヨン
スティーヴ・ザーン - タッカー
ダラス・ロバーツ - デイヴィッド・ウェイン
マイケル・オニール - リチャード・バークレー
デニス・オヘア - セヴァード
グリフィン・ダン - ヴァス
ジェーン・マクニール - フランシーヌ・サスキンド
ジェームズ・デュモン - レイヨンの父
ブラッドフォード・コックス - サニー
ケヴィン・ランキン - T.J.
ローレンス・ターナー - ラリー

スタッフ
監督      ジャン=マルク・ヴァレ
脚本      クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック
製作      ロビー・ブレナー、レイチェル・ウィンター
製作総指揮      デヴィッド・L・ブシェル、ニコラス・シャルティエ、カシアン・エルウィズ、
ゼヴ・フォアマン、ローガン・レヴィ、ジョー・ニューカム、Tony Notargiacomo、
ネイサン・ロス、ホリー・ウィーアズマ
撮影      イヴ・ベランジェ
公開      2013年11月1日(アメリカ合衆国)
            2014年2月22日(日本)
上映時間      117分
製作国      アメリカ合衆国
製作費      $5,000,000
興行収入      $26,403,352(アメリカ合衆国)
$32,403,352(世界)

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ロン(マシュー・マコノヒー)はロデオ、ドラッグそして女に明け暮れ、金のためには他人(ひと)を欺くことも惜しまない、いつ死んでもおかしくないようなギリギリの生活に身を置く破滅型の人間でした。そんな彼が職場で小さな事故に巻き込まれ担ぎ込まれた病院で予想だにしない診断を受けます。「HIV陽性で余命はおそらく30日くらいだろう」と。
「オレがホモに見えるか?オレはロデオカウボーイだぞ。ホモ呼ばわりするな!!」
医者の前でゲイ呼ばわりされた不快感をあらわにするロン。ゲイのような人種を異常に毛嫌いし、仲間との会話でも他国の有色人種に差別的な呼び方をしていた彼はその日をさかいに仲間から「ゲイ」の烙印を押され差別を受ける側へと立場が一変する。
余命があと30日しか残っていない状態と知った時、ひとは何を想いどんな行動をとるだろうか。心を落ち着かせるまでに自分ならまずは10日は要するかもしれない。その後は?どうしましょう??
ロンを自分に置き換えてしばし他愛もないことを考えていました。

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それまで感情に流されるまま生きてきたロンの内面が変わって行くさまをカメラはほぼ彼の顔の高さで角度を変え、近づき、時に少し引きつつテレビのドキュメンタリーのように淡々と追い続ける。病人だからってベッドでじっとしていることなどなく、やせ細った状態でありったけの体力をふり絞り動き続けるロンを見ていて体力ってやっぱり気力なんだなぁってしみじみ思いましたね...ありきたりでスミマセン。。
静かにそして荒々しく極限状態での悲しみと怒りを演じきったマシュー・マコノヒーの圧倒的な存在感に完璧にグギ付けでした。車のなかで銃を握りながら子供のように泣き、ついには慟哭する演技、凄かったです。人間って生きていく中であんな泣き方することって何度あるでしょうか。
そしてジャレッド・レトです。ロンの傍らに寄り添うゲイのレイヨンが可憐な花にさえ見えました。そう、ゲイ嫌いだったロンを変えたのはレイヨンでしょう。
嫌われながらも(はじめのうちはそうでしたよね!)かげながら支えるロンの”女房”っぽく見えました。なんとなく昭和の映画、たとえば五社英雄監督作品に出てくる薄幸な遊女っぽい古典的な雰囲気すら感じました。

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古典的といえば、ロンの体調に異変が起きた時の”キーーーーーン”ってなるところもレトロな手法ですね、全然違和感がなかったけれど。
ジャレッド・レトもかなり体重落としての体当たり演技でしたね。仕草の一つ一つに役作りの成果が表れていてとにかくかわいくて健気でした。
自分のために、AZTという薬を横流ししてもらい服用しているうちに体調が悪化したロンは、調べているうちにメキシコの医師に別な薬が安全だという情報を得て、その薬を売ってお金を儲ける事を考えついた、それが”ダラス・バイヤーズクラブ”のはじまり。自分のために始めた行動がやがては多くの人々を救うことになる。気がつけばロンは他人の命を救うこともしていた...そんなお話。
しかしながら、そんな英雄的なことばかりがメインではなく、ロンがイブ(ジェニファー・ガーナー)に言うセリフが心に響きました。

「冷たいビールを飲んでまた牛に乗りたい。女と踊って…子供もほしい。人生は一度だけだから、そんな平凡なことを夢見るんだ。わずかな人生のために戦っている自分に意味がほしい」



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