My Cinema Talk World: イノセント・ガーデン — 狂気に満ちた血が流れる少女が辿る結末

2013/12/08

イノセント・ガーデン — 狂気に満ちた血が流れる少女が辿る結末


DVD化されるのを楽しみにしていた映画で、発売直後早速レンタルして見ました。
まず結論から先に ――
面白かった!
私はこういう耽美的かつハラハラドキドキな映画は大好きです。
(というか、基本的にブログには私が好きな作品しか書かないのでご了承くださいませ。)

イノセント・ガーデン(原題:Stoker)

監督:パク・チャヌク / 製作年:2013年

この映画は賛否両論みたいで、「いい!」って人もいれば「イマイチ!?」って感想の方、ミア・ワシコウスカのエロティックなシャワー・シーンが見れたから「よしとするかぁ」って感想も結構あったようですね。
私、この映画は過小評価されている映画ベストなんちゃらの上位に入れてもいいと思う、見れば見るほど傑作だと感じます。
監督はパク・チャヌクって監督さんなのですが、初めてききました。
みなさん、「オールド・ボーイ」とか「親切なクムジャさん」がいいとか感想文などに書いているようなので後ほど見てみたいです...ただ韓国映画なので後回しになってしまうかもしれません。
(苦手なのです、韓国映画!別に差別などではなく単に喰わず嫌いだと思う)
しかしながらこの作品を見たらパク監督気になりだしますわ、次回作楽しみです。

若干、ネタバレ的な解説をしております。

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ストーリー
インディア(ミア・ワシコウスカ)の父リチャード・ストーカーは、彼女の誕生日に毎年、庭のどこかにプレゼントとして靴を隠しては彼女に探させていた。 18歳の誕生日、プレゼントの中身は靴ではなく、鍵だった。その後、彼女の父は急死したのだった。
母親(ニコール・キッドマン)と二人きりの生活になってしまったある日、叔父チャーリー(マシュー・グッド)が現れる。
「しばらく滞在する」といいつつ、同居し始めたチャーリーの魅力に次第に惹かれていくインディアだったが、家政婦やインディアの大叔母といった彼女の周囲の人々が次々に姿を消していくのだった。

キャスト
インディア・ストーカー:ミア・ワシコウスカ
イヴリン・ストーカー:ニコール・キッドマン
チャーリー・ストーカー:マシュー・グッド
リチャード・ストーカー:ダーモット・マローニー
グウェンドリン・ストーカー:ジャッキー・ウィーヴァー   
クリス・ピッツ:ルーカス・ティル

スタッフ・映画情報
監督      パク・チャヌク
脚本      ウェントワース・ミラー
製作      トニー・スコット、リドリー・スコット、マイケル・コスティガン
撮影      チョン・ジョンフン
公開      2013年3月1日(アメリカ)
2013年5月31日(日本)
製作費      $12,000,000
興行収入      $11,976,645
原題      Stoker

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【自分に気づく女の子の成長と旅立ちの物語】
冒頭の薄暗い草むらにスカートをなびかせて立つ女の子の低アングルからのカット。
母親のブラウスを纏い、ウェストには父親のベルト、彼女に流れる血はいったい??といった展開です。(わかりづらい説明です...はい)
冒頭のシーンがラストにつながるわけです。
とにかく映像が綺麗、凝ってる!
女優2人をまるで血が凍てついているのかと思わせるほど白く美しい肌に仕上げているメイク、そして照明にも気を使っているのが分かります。
ニコールのメイクにはことさら気を使っているのでしょう。
アップで見るとやっぱり以前より上唇がプックリになっていますよね、おっと、これは置いておくとして ――
いわずもがな、ミア・ワシコウスカの冷淡な美しさが際立っています。
やはり主役は彼女です。最初の方でインディアがデビル・エッグの殻をむくシーンは「エンゼル・ハート」のデ・ニーロを彷彿とさせます。
ただものじゃない、存在感この上ないです。
カメラのアングルも上から下から横からと縦横無尽に追いつつ、緊迫感をじわじわと高めております。
主人公インディアは感覚が鋭敏ということで、音が上手に使われています。
ピアノを弾くシーンとともにメトロノームが出てきます。
メトロノームが刻む音が緊迫するシーンではなにやらタイムカウントのように ―― 残り時間を刻まれているような錯覚に陥ってしまう。これまたすばらしい効果音になっています。
1994年産のワインを大きなグラスから飲む時のあの音。
ナマナマしくて彼女が何かに目覚める瞬間の空気を感じさせるシーンです。
しかも叔父のチャーリーが飲んでいたグラスだからこれまたなにやら背徳の香りも漂っている。

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次第にあばかれる叔父の正体と過去、父親の死にまつわる謎、そして叔父とインディアの関係。
彼女の周囲からつぎつぎと人が消えて行く ―― 映画全体に流れる耽美的な空気、白い肌に真っ赤な血などなど、なにやら吸血鬼映画の匂いを感じました。
ストーカーという原題にしてもブラム・ストーカー的だし(あらら、そのまんまやわ!)
母親とインディアの関係が特殊でどうみても普通の母娘のようにはみえない、お互いに向ける視線が冷たすぎるし会話にも血が通っていないひんやりした空気が漂う。
「なぜ、母親のいうことがきけないの?」みたいなことをインディアに言う場面があるけれど、生まれてこのかた娘の髪をとかしたこともないのに、「当然だろーっ」ていいたいけれどねー。
ラスト近くで美しくて上品な母親が娘に向けて本性をだすところがこれまた恐ろしかった、「あなたが人生で挫折するところを見たい」とか言い放っておりました。
母娘と叔父との三角関係の構図ですが、所詮母親イヴリンはチャーリーとインディアとは別な血が流れているので異人種なのです。それを強調するようにインディア、チャーリー、イヴリンの目のアップが多い。
インディアと叔父チャーリーは目と髪の色が同じです。

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最後に、第二の主人公叔父チャーリーですが、「サイコ」のノーマン・ベイツに次ぐキャラクターと言っても過言ではないでしょう。
それほどまでに、強烈なキャラクターであり演じたマシュー・グッドの狂気を孕んだ目の演技が素晴らしすぎです。

インディアの父親が彼女に狩猟を教えた理由は、彼女を完璧にするため。彼女に自分たちと同じ血が流れていることを見抜いていたから「冷静かつ完璧に獲物を捕らえるすべ」を教えるとともに叔父チャーリーのように理性を失うことがないようにするために...。
彼女は最後にはひとり旅立ちます、もう誰にも頼らず生きて行ける ―― その姿は連れ人を必要としない孤独な吸血鬼にも見えました。


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