My Cinema Talk World: 潜水服は蝶の夢を見る

2012/02/05

潜水服は蝶の夢を見る


先日、TVのバラエティ番組のコーナーで紹介されていた一本の映画
(ご存知「王様のブランチ」です!)
一風変わったタイトルは、

潜水服は蝶の夢を見る

ここのところ事あるごとによく泣く自分だが、
久々に号泣してしまった....しかも作品の紹介だけで。
ファッション誌として有名なELLE。
かつてそのELLE誌の編集長をしていたジャン=ドミニク・ボビー氏の自伝小説の映画化である。
40代前半で、ドライブ中に脳血栓に襲われ
そのまま全身不随に陥ってしまった…動くのは左の瞼だけという絶望的状態。
そのような不自由な体を重い「潜水服」に例えたのだ。
実際は、潜水服よりもっと過酷だと思う。
自分で想像してみる、そんな状態になったときの自分を。
精神的重さのほうがおそらく、もっと計り知れないくらいだろう。
こんなことを言ってしまったらボビー氏に失礼になるかもしれないが...
一人の人間として生きる尊厳を一気に失われてしまった状態....
そんな状態の中で瞬きの合図だけで意思を伝えることに光を見出した主人公。
つまり手話を「瞬き」で行うようなものである。
或る知人に「本を出してみないか?」と勧められ
その知人と瞬きによる合図のやりとりだけで一冊の本を完成させる。
この本が今回映画化された「潜水服は蝶の夢を見る」である。

原作に感銘を受けた、「ベティ・ブルー」でも有名な
ジャン=ジャック・ベネックス監督がこの様子を独自にドキュメンタリーとして撮影していたという事実も後から知ったことである。

ぴあのサイトの紹介文に

肉体の自由がなくても、精神の自由は奪われず、
蝶のように自由に記憶し想像し、“生きる”ことはできる。と記されているように
主人公の記憶と想像で紡がれる物語は、
自由奔放に過去、現在を飛び回る。
生きる尊厳を奪われても
くじけても立ち上がり、やはり人間として生きること
自分を懸命に生きる事でそれを確認するのだと改めて実感しました。

残念なことに、全国で上映されるわけではないのですぐには観られないと思うが、
DVD化されたら必ず観たいと思う。
(後日談になるが、DVD観ました…胸が詰まる想いの中、次第に主人公ボビー氏と一体化する自分がいました)
この映画に異常に反応してしまう自分....
過去2度、親戚や親が脳梗塞になったのを目の当たりにした情景が蘇ってきてしまうからだと思う。
私事ながら....
本人はもちろん、周りの人たちの人生が一変してしまう。
半身不随になったら一旦、
今まで生きてきた自分の人生をリセットし、再び出直さなければならない。
過酷である。
昨年、脳腫瘍でこの世を去った従姉妹。
三度の手術の受け、体が不自由になっても頑張って復活してみせると頑張っていた天国の彼女に改めて敬意を表さずにいられない。
もちろん、この映画の主人公であるボビー氏にも。


注) 以前の記事より文章の修正や加筆をしています。

出典
2008年02月11日 私の車ブログ「潜水服は蝶の夢を見る......」より


DVD
潜水服は蝶の夢を見る

参考サイト
チケットぴあ