My Cinema Talk World: それぞれの空に

2012/06/13

それぞれの空に



毎度のことながらロードムービーが見たくてこの作品をネットで見つけ出した次第であります。
少し前にDVDで鑑賞したのだが、最初某レンタルDVDチェーン店Tで探しまくって結局置いてないという始末…よくよく調べたところこの映画、日本未公開と判明したのだ。
そりゃ、レンタルに置いてないはずだ^^;

ストーリー
偶然知り合った3人のイラク帰還兵がたどるアメリカ横断の旅を、ティム・ロビンス、レイチェル・マクアダムスら実力派キャスト共演で描いたロードムー ビー。駐留地のイラクから一時帰国することになったチーバー、コリー、TKら3人のアメリカ人兵士。アメリカに到着したものの停電によって足止めされた3 人は、一緒にレンタカーを借りてそれぞれの目的地へ向かうことに。三者三様の悩みを抱えながら、旅を続けるが……。
映画.comより)

キャスト
レイチェル・マクアダムス
ティム・ロビンス
マイケル・ペーニャ

スタッフ
監督:ニール・バーガー
製作:ブライアン・コッペルマン、デビッド・レビーン、
リック・シュウォーツ、ニール・バーガー
原題:The Lucky Ones
製作年:2008年
製作国:アメリカ

この作品を見るにあたって1つ楽しみだったのが「きみに読む物語」の可愛らしくてキラキラ輝いていた、あのレイチェル・マクアダムスが出演しているということ。
軍人という普通の女の子と少々違う難しい役をどんな風に演じているか興味津々だった。
彼女は母親と疎遠で大学で学びたいという夢を持ちながらも一人の力ではままならず入隊の道を選び、戦地で脚を負傷して帰還するコーリーという女の子をいきいきと演じている。
2人目の主人公は「ショーシャンクの空に」や「ミスティック・リバー」で素晴らしい演技を見せたティム・ロビンス。
彼は、腰を負傷し薬を手放せない不安定な退役軍人チーヴァ役。
そしてマイケル・ペーニャは、戦地で負傷した(しかも大事な部位が機能しなくなってしまう…)「自分が軍人のエリートだ」と信じきっている少々自意識過剰なTKを演じている。
空港で出会った男女が1台の車に相乗りしながら、それぞれの目的地へと向かうまでのアメリカを横断する旅の物語だ。
戦地で役目を果たし無事帰還…喜ばしくも思えるが何らかのわだかまりを抱えている3人は長期間の軍隊生活で祖国の変化に馴染めないことを旅の途中で思い知らされる。
ひと昔前なら「祖国の為に戦って来た英雄」として扱われるはずである彼らだが9.11以降、中東での戦争やそれに伴う戦費からの財政難を経てアメリカ人の意識は大きく変化していた、時代は変わっていたのだ。
チーヴァは退役し、家族と共に新しい人生を始めるはずだったが皮肉な運命に迎えられ、我が家には戻らず再び2人と合流し旅を続けることになる。
ラストに近づくにつれ、祖国のみならず家族からも忘れ去られた存在となっている三人共通の祖国への違和感や孤独感がお互いを心配し思いやる気持ちに変化していく過程が面白い。
邦題と結びつくラストシーンは何とも爽やかですっきりしつつ….
とラストの顛末を語りそうになったところで止めておこう。
レイチェル・マクアダムスに話は戻って...
軍人という役どころなのでかなり役作りに徹したのか、ハンパないムキムキぶりに少々驚いた。彼女の可愛らしい表情には惹き付けられっぱなしだったけれど^^

戦争や軍人、そして現在のアメリカという社会的テーマではあるが終始一貫しているのは旅の流れ行く景色、車中でのやりとり、そしてシーンごとに流れる軽快なテンポの音楽が合まって重苦しい雰囲気を感じさせない仕上がりになっていること。
特典映像で監督のニール・バーガーは「サイドウェイ」のような雰囲気の映画を撮りたかったと語っていたが、その目論みはしっかり成し遂げられていたわけだ。