My Cinema Talk World: その夜の侍

2013/10/07

その夜の侍

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「その夜の侍」
見終わった後、胃がもたれるような不快感に襲われました。
いやー、なんともカラダに悪い作品です…消化不良起こすかもしれません。
しかしながら、この映画は決して駄作じゃないんです。
全体に漂う空気感と人間の描き方が特別なので好き嫌いは必至です、これから見る方は心して下さいませ。
みどころは
演技全力投球、堺雅人 VS 山田孝之どっちが上手いか?
もちろん、そうです!
彼らは演技派です、言わずもがな。
加えて綾野剛さんはじめ脇役陣も負けないくらいの演技してます…特にいいなーと思ったのが中村(堺雅人)の義兄 青木役の新井浩文さん、鉄工所の従業員役の高橋努さんがどこにでもいそうな男、オジサン(?)ってカンジでいいですね。自然なんです、演技を感じさせなのです。

ストーリー

小さな町工場を営む中村健一(堺雅人)は、5年前にひき逃げで最愛の妻(坂井真紀)を失って以来、妻との思い出に囚われて絶望と孤独の日々を生きていた。一方、2年の服役を終えて出所したひき逃げ犯の木島宏(山田孝之)は、相も変わらぬ傍若無人な振る舞いで反省とは無縁の生活を送っていた。そんな木島のもとに、“復讐決行日”までをカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる…。


allcinemaより引用)

映画情報
監督・脚本・原作:赤堀雅秋
出演:
      堺雅人、山田孝之、 綾野剛、高橋努、
      山田キヌヲ、坂井真紀、谷村美月、安藤サクラ、
      田口トモロヲ、新井浩文
公開:2012年11月17日


堺雅人 VS 山田孝之


堺雅人さんが主人公 中村になりきりぶりが凄まじい、牛乳瓶の底みたいな(旧い言い回しだわ)眼鏡を汗だか手あかだかで曇らせに髪はベタベタっぽくて近寄りたくないようなくたびれた男を熱演しています。
最期の日に留守電に残っていた妻の声を消せず延々リピート、ポケットには妻のブラジャーを入れて持ち歩いてるし。ナマナマしすぎるくらいです。
いつも見慣れている堺さんじゃないから、豹変ぶりにかなり驚きました。
言われなければ堺雅人だって気がつかないくらいです。
糖尿病であるのに、生前妻に注意されていたプリンの“ドカ食い
がやめられないし、タバコも吸い続けている。
どんだけ意志が弱い男なんだよ!
中村の荒んだ様子を心配する亡き妻の兄 青木、そして工場で働く従業員の久保。
人間関係が微妙というか生温い? とにかくよくわからないんですね。ほんとに心配しているのかよってカンジ。
一方、悪人 木島役の山田孝之。
私、もともと彼のファンでもあったし、その演技力は知ってるつもりでした。
しかし、この映画では「さすが山田くん!悪役もなりきり演技ですばらしいわ」なんて言えませんでしたね。
山田孝之というか、木島に吐き気をよおしました、それほどイヤなクズ人間でしたね。
「何、このクズだかカスだかわからないような男...最悪だわー!」って心底思いました。
それほど、頭からつま先まで木島という超悪人を演じ切っていたということでしょうね。
ファンをも不快にしてしまうような演技力…うーんやっぱただものじゃないわ、このヒト。 

(結局、山田孝之に共感してしまっておりますが)

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いまどきの人と人との繋がり方


この映画で胃がもたれるような不快感を感じた原因は堺&山田の演技だけではないのです。
先に説明した生温い人間関係に加えて、悪人の木島に反抗もできずにだまってズルズルとついていくおバカな人間どもが腹立たしいんです。
義兄の青木までもがノコノコ木島のところまで行って、お金を渡したりするし、(中村がストーカーっぽく木島を付け回したり「お前を殺して俺も死んでやる」という手紙を送りつけているので義兄として面倒を見ている)
この人たちってかなりおかしな人間関係に見えますが、生温い表向きだけの付き合いって現実にもあるし、孤独でいるよりもゆるい繋がりや他愛のない会話を求めて生きているんですね、現実社会においても。
木島がどんなに悪人でも、周りに集まる人たちもそう特別な人ではないし、自分が必要とされている、共存していることで「孤独じゃないんだ」って安心していられるんだと思います。
ホテトル嬢が「なんとなくヒマだからこの仕事している」というセリフが、妙に説得力がありました。


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え…?な結末


フラストレーションが残るのはラストに中村と木島が対峙する場面です。
多くの人は、中村の行動に納得いかないんじゃないかな。
すごく無ざまでカッコ悪いし。
「えー?なんなの、この人、ほんとに怒ってるの?」って感じました。
ラストでの中村のおかしな行動を見て、「こういう結末でいいの?」って考えて...うーん、いいのかなってふわっと納得してました…漠然と。
独特の間のとりかた人物の描き方、クセのある映画です。
ハマる人はハマるけど、「これはワケ分かんないわ」と思う人もいるでしょう。
私は、結局気分が悪い思いをしても、もう一度見たくなりました。


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