My Cinema Talk World: 「凶悪」 ー いちばん悪いヤツは誰だ?

2014/04/04

「凶悪」 ー いちばん悪いヤツは誰だ?

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劇場で見逃してしまったこの作品、DVD発売をかなり楽しみにしていました。
想像通り(いわずもがな...)一貫して暗かったです。
暴力・殺人シーンと無機質な刑務所内での藤井と須藤との対話シーン、藤井の家庭の問題のシーン、藤井が事件を取材し記事ができるまでの様子で構成されています。
実話に基づいた映画ですが、実際の雑誌の記事を読んだ方の声を聞くと「物足りない」とか「ちょっと違う」といった声をネット上で目にします。
私はこの事件が載っていた雑誌を読んでいない。だから、実際の読み物と映像化した作品との隔たりとや違和感などはわからなかった。
しかしながら、自分の中で何やら物足りない感は覚えました。犯罪シーン、須藤と先生の恐ろしさは迫力があって、お腹いっぱいにすらなりました。



         




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ストーリー

スクープ雑誌「明潮24」に東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤から手紙が届く。記者の藤井は上司から須藤に面会して話を聞いて来るように命じられる。藤井が須藤から聞かされたのは、警察も知らない須藤の余罪、3件の殺人事件とその首謀者である「先生」と呼ばれる男・木村の存在だった。木村を追いつめたいので記事にして欲しいという須藤の告白に、当初は半信半疑だった藤井も、取材を進めるうちに須藤の告発に信憑性があることを知ると、取り憑かれたように取材に没頭して行く。


( Wiki より)

キャスト
    藤井修一 - 山田孝之: スクープ雑誌「明潮24」の記者。モデルは『新潮45』編集部の宮本太一。
    須藤純次 - ピエール瀧: 死刑囚。元暴力団組長。
    木村孝雄 - リリー・フランキー: 「先生」と呼ばれている不動産ブローカー。
    藤井洋子 - 池脇千鶴: 藤井の妻。認知症の姑の介護に疲れ果てている。
    牛場百合枝 - 白川和子: 被害者の妻。夫・悟の殺害を木村たちに依頼。
    藤井和子 - 吉村実子: 藤井の母。認知症。
    五十嵐邦之 - 小林且弥: 須藤の舎弟。須藤に心酔している。
    日野佳政 - 斉藤悠: 木村から須藤に託された舎弟。
    佐々木賢一 - 米村亮太朗: 須藤のムショ仲間。須藤を裏切って殺される。
    遠野静江 - 松岡依都美: 須藤の内縁の妻。
    牛場悟 - ジジ・ぶぅ: 牛場電機設備の経営者。借金まみれの呑んだくれ。
    芝川理恵 - 村岡希美: 「明潮24」編集長。藤井の上司。モデルは当時の『新潮45』編集長の中瀬ゆかり。
    森田幸司 - 外波山文明: 森田土建社長。木村の共犯。事故で植物状態に。
    牛場利明 - 廣末哲万: 悟の女婿。舅の殺害を木村たちに依頼。
    福森孝 - 九十九一: 木村の共犯。身寄りのない老人を探して木村に紹介。
    牛場恵美子 - 原扶貴子: 悟と百合枝の娘。利明の妻。
Wiki より)

スタッフ・作品情報
監督     白石和彌
脚本     高橋泉、白石和彌
原作     新潮45編集部編 『凶悪 -ある死刑囚の告発-』
製作     鳥羽乾二郎、十二村幹男、赤城聡
千葉善紀、永田芳弘、齋藤寛朗
音楽     安川午朗
撮影     今井孝博
編集     加藤ひとみ
製作会社     日活
ハピネット
フラミンゴ
カズモ
ディーライツ
配給     日活
公開     2013年9月21日(日本)

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何が物足りなかったか。ただ単に山田孝之という俳優を活かし切れていないのではないか?ということなの?いや、演技がどうたらとか述べるつもりもないし、よく理解してもいない立場でそんなことは言えないけど、自分的には何かが欠けていたように感じた。
 毎回素晴らしい演技を見せてくれる山田くんなのだけれど、映画を見終えた後にふと
「この役は山田孝之じゃなく、他の俳優が演じても成り立つのではないか?」
という想いが浮かんだりしました。
どうなんでしょう?あの目ヂカラというか眼力は彼以外では出せないのだけれど、今回に限り眼力以外の何かが足りなかった気がするのです。
演技力?いや、そうじゃない!
今までは圧倒的な存在感を放っていた彼が引き気味な位置にいたから、出番がピエール瀧やリリー・フランキーと比べてかなり少なかったから..そう感じてしまったのかもしれない。(かなり身勝手なファン目線のひとりごとになってます)。
藤井という人間がもはや魂を抜かれてしまった人だから、今までの山田のキャラクターと隔たりを覚えたのか。

普通に日常を送っている人とは別な世界にいる須藤や先生のような人間は、誰をどう殺したかもわからないほど淡々と人を葬りながら生きている。彼らは人殺しが日常茶飯事になりすぎて、感覚が麻痺してしまっているのかもしれない。
実は普通に生きている我々も、「他人(ひと)の傷み」に麻痺しているのではないか。
芸能人のスキャンダルや世間を賑わす殺人事件などに瞬時に興味をそそられネットで見たり本を購入しながらニュースを読んだりする。そんな今の麻痺し切った世間の風潮に何かを投げかけたかったのかもしれない。
昔のようにテレビのお笑いなどで爆笑して日頃のストレス発散をするような時代ではなくなってきていて、「イタイこと」に食いついて”笑う”のではなく”嗤う”のを楽しみに生きているような、より猥雑化した指向に向かっているのではないか...私たちは。行き着く果てはどこなんだよ、みたいな。
少しでも生きのびたいために「死刑」先延ばしに奔走する須藤。
今まで家族に迷惑をかけながらダラダラと生きてきた電気屋のじいさん。
痴ほうの実母を嫁に預けっぱなしで嫌なことからは目を背け、取材に没頭する藤井。
三者になにやら共通点を感じました。

人をたやすく殺しながらも情に厚い須藤のキャラが興味深かい。それと須藤の舎弟の五十嵐もです。じじぃとのんびり釣りしながら語らっている反面、無理矢理酒を飲ませたりスタンガンでいたぶったりと須藤の悪行に加担する、みんなどこか対極で実におもしろい。

舎弟役の2人はイケメンでしたね。
それと白川和子さんって、めっさ懐かしくないですか...団地妻シリーズ。(じじぃ役のジジ・ぶぅさんとコンビでお笑いみたいなユニット組んでるみたいですね。)
作品の中で一番悪いヤツは誰なのか。それは「凶悪」というタイトルにつられるあなたじゃないですか?そう言われている気がしました。
伝えたいことや想いは理解できる。ただ、まだなにか取りこぼしがあるような全てを伝え切っていないような気がしてならない。
わたし的には、そんな変な未消化な後味を残りました。



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