My Cinema Talk World: 「あの頃ペニー・レインと」 ー 永遠のロック少年(少女)たちに捧げる

2014/02/10

「あの頃ペニー・レインと」 ー 永遠のロック少年(少女)たちに捧げる

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俳優フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなりました。「カポーティ」はハマり役でしたが、脇役としての彼が強烈に印象に残っています。死因などはニュースなどで取りざたされているので多くの人が知っていることでしょう。こんな言い方をしては失礼かもしれませんが彼らしい最期だった気がしています。
そんな彼の役者としての面影をだどるとどうしてもこの映画なくしては語れません。
「あの頃ペニー・レインと」(2000年)です。
私の中でも思い入れが深い作品で、70年代ロックが終末を迎えつつある時代に15歳という年齢でローリング・ストーン誌のライターになった青年ウィリアムが主人公です。
「ヴァージン・スーサイズ」もそうだけれど、70年代のヒット曲の数々が「このシーンにはこれしかありえないだろー!」と言わんばかりにぴったりはめこまれていて、音楽好きにはたまらない映画です。レコードに針を落とし、ローソクをともしながら聴く。。。通ですな。その当時そんな聴き方知らなかった自分、あの頃にもう一度戻りたくなった、ほんと悔しいほどステキ!
ついついわたくしごとが長くなってしまうけれど、残念なことに私が夢中でロックを聴いていた頃は、すでにこの映画に出てくるような名盤は過去の物になっていてリアルタイムを肌で感じることはできなかったんです、まったくもって無念です。

ストーリー

15歳のウィリアムは「ローリング・ストーン」誌の記者に抜擢され、ロック・ジャーナリストとして、人気急上昇中のバンド・スティルウォーターのツアーに密着取材することになった。彼はそこでグルーピーのペニー・レインと出会い、恋心を抱くようになるが、彼女はバンドのギタリスト、ラッセルと付き合い始める。


( Wiki より)

キャスト
ウィリアム・ミラー      パトリック・フュジット
ペニー・レイン      ケイト・ハドソン
ラッセル・ハモンド(スティルウォーターのギタリスト)      ビリー・クラダップ
エレイン・ミラー(ウィリアムの母)      フランシス・マクドーマンド
ジェフ・ベイブ      ジェイソン・リー
ポレキシア・アフロディシア      アンナ・パキン
サファイア      フェアルザ・バルク
ディック・ロスウェル      ノア・テイラー
アニタ(ウィリアムの姉)      ズーイー・デシャネル   
レスター・バングス      フィリップ・シーモア・ホフマン
ベン・フォン・トーレス      テリー・チェン

スタッフ・作品情報
監督      キャメロン・クロウ
脚本      キャメロン・クロウ
製作      キャメロン・クロウ イアン・ブライス
音楽      ナンシー・ウィルソン
撮影      ジョン・トール
編集      サー・クライン ジョー・ハッシング
製作会社      コロンビア映画
                   ドリームワークス
                    Vinyl Films
公開      2000年9月13日(アメリカ)
            2001年3月17日(日本)
製作費      $100,000,000
公開      2013年12月25日(アメリカ)
            2014年1月31日(日本)
原題      Almost Famous

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【 すべての人に「あの頃」を懐古させてくれる作品 】
何度観ても泣きますね、同じ場面で...泣きっぱなし状態になるんです、私。
感情移入ハンパないです、子供時代から青春時代まっただ中の自分を見ているようで…ペニー・レインに(ケイト・ハドソン)ではなく、ウィリアム(パトリック・フュジット)や彼を陰ながら応援する音楽ライター、レスター・バンクス(フィリップ・シーモア・ホフマン)にです。私が洋楽と出会ったのもウィリアムと同じくらいの頃(いや、もう少し早かったかな)です。ロックは廃れても70年代とその時代の音に憧れていました。そして、今ではなかなか聴くことのできないレコードの音…ウィリアムの姉アニタ(ズーイー・デシャネル)がベッドの下に残して行ったレコードの中の1枚に針を落とした時のあの音!まぎれもなくレコードの音でしたね、ザ・フーのアルバム「Tommy」の中の1曲Sparksです!!これだけでもうゾクゾクーってきましたわorz
気に入った曲を「カッコいい!」という言葉でしか表現できなかった自分…レコードを聴きながらさまざまな場面を旅していたあの頃。レコードってしみじみいいな、レコードジャケットの大きさがなつかしい。。。

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15歳で音楽雑誌のライターとして取材するウィリアムの神童っぷりハンパないです、そして目がクリンとしてて大きなエクボがキュートね。
音楽雑誌はバンドの記事を書いて売れる手助けをする商業的なもの、ただのロック好きやファンが誰でもなれるものではありません。レスターもウィリアムの目の中に自分が「ロック少年」の1人だった時の姿をみたから、チャンスを与えて応援し続けたんだと思う。ちなみにレスター・バンクスは実在の人物で、ウィリアムはキャメロン・クロウ監督の少年時代なんですよね。
レスターの言葉でグッとくるものがありまして、「本物の音楽は人を選ぶ」。これですよ!これほどの言葉の魔力があるでしょうか(ただの音楽オタクになってます、私...^^;)要はこの言葉に感動を覚える人は真のロック好きのみで、音楽を聴かないひとがこのセリフを耳にしても何も感じないはず。レスター・バンクスは単にロックに感動するだけにとどまらずロック好きの若者を惹き込む音楽という素材を自分の中のフィルターにかけ、文章で感動を伝える力を持っていたのでしょうね。

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ロックバンド、スティルウォター(架空のバンド)のツアーに同行して記事を書くことになったウィリアムは「グルーピーを引退した」という女の子 自称ペニー・レインと出会いバンドのギタリスト ラッセルを紹介する。三人の関係がこれまた微妙...恋人、友人、そして成功する為に利用するだけの存在。
しっかし
ほんといい時代だー。バスでわいわいにぎやかに全米ツアーをする世界なんてまさに自分が夢に描いていた通り。
私が涙ボロボロにされた場面は、やっぱりアレです…バスの中ではエルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」が流れてて、みんなが人知れず歌いだし合唱になって...ずっと一緒だったウィリアムが次の演奏場所で帰らなければならないことをペニー・レインに告げるシーン。最高にじわーっときますね。しばらくバスでの旅が続いて、バンドメンバー、グルーピーたち、ウィリアムは疑似家族のような存在になっている。だからラッセルもペニー・レインもウィリアムにずっと一緒にいてほしいんです、ずっと今のままなんてあり得ないと知っているのに。
ケイト・ハドソンは決して美人ではないけれど(お母様のゴールディ・ホーンの可愛らしさにはかなわないと思う!)不思議な魅力を持っています。ペニー・レインっていわずもがな、ビートルズの曲からとった偽名。誰も彼女の本名を知らないんだけれど、ラッセルから身を引く際にそっとウィリアムにだけ教えて去って行くのがいいよね。

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選曲も素晴らしい、さすがキャメロン・クロウ!
特に、永遠のロック少年(少女)にオススメしたい映画です。
DVDは2枚組の「デラックス・ダブル・フィーチャーズ版」がオススメ。一般的にディレクターズカット版などは「やっぱ、こんなシーンいらないや」ってなるのが多いけれど、キャメロン・クロウが編集し直したという特別編集版は劇場版よりよい出来です。
お母さん役のフランシス・マクドーマンド(コーエン兄弟作品でおなじみでございます)、姉役のズーイー・デシャネル、グルーピーの女の子たち(アンナ・パキン、フェアルザ・バルク)みんな名演だった、でも出番は少ないにもかかわらずフィリップ・シーモア・ホフマンは群を抜いて特別な空気、存在を感じさせてくれた。ロックの素晴らしさをあらためて実感させてくれたこの役は彼しか演じられないと思う……新しい作品でもうあの演技、表情が見れないと思うと寂しい。
ありきたりだけれど、ご冥福をお祈りします。

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全員が一体になってる瞬間。
やっぱ泣けますね...このシーン。


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映画終盤の名シーンのひとつが、バンドのツアー同行記を書きあぐねたウィリアムが、レスターに電話をかけるシーン。レスターは悩むウィリアムに対して、「ロックミュージシャンと親しくなって、自分まで格好よくなった(Cool)ように思うかもしれないが、俺たちは格好悪い(Uncool)。(ロックスターのように)女にモテなくて苦労するけど、世界中の偉大な芸術のほとんどはそのことがテーマなんだ」と静かに優しく語りかける。

(映画.com より)

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