My Cinema Talk World: サイコ(1998) −− なぜみんなこの映画を駄作にしたがるのか?

2014/06/08

サイコ(1998) −− なぜみんなこの映画を駄作にしたがるのか?


いわずもがなヒッチコックの「サイコ(1960)」のガス・ヴァン・サントによるリメイクです。
ゴールデンラズベリー賞で最低リメイク賞・最低監督賞を受賞しました。パチパチパチ…って、ねぇ。どうなの、この扱い。
私、この映画初めて観た時「これは傑作だわ!」ってかなり感動したんですよね、ってかリメイクだということを考えれば「これはいい仕事してるわ!」か。。。
なのに聞こえてくるのは悪評ばかり...いったいどうしてなんだろう?って疑問でした。
オリジナルがあるということは、それを越えることはないとは思うんですよ。でも、リメイクにおいても面白い作品は生まれるはずです。
しかしながら、オリジナル作品あってのリメイク作品です。 本作は監督であるガス・ヴァン・サントの提言であり、憧れだったヒッチコック作品をカット割りなどは残しつつ、1998年風に組み立てなおすという夢を叶えた作品なのだろうと私は思っております。
とても面白いと思います、ストーリーや演出はオリジナルのまま、白黒をカラーで複製しているのに出演者はオリジナルと全く違ったキャスティング。
ミスキャストなどではなく、敢てこういうキャスティングをしているんですよ、私が勝手に考えているだけですけどね。
マリオン(アン・ヘッシュ)にしろオリジナル版のジャネット・リーより数段あか抜けてる、違うタイプの女優を配して彼女が纏う服にしても全く違うものにしている。ことごとくオリジナルからハズれたものになっているんです。





そして、興味深いのは敢てカラーで撮り直しておきながら、古い手法をわざと残しているところ。
例えば、ノーマンが隣の部屋を壁にあけた穴から覗くという部分。リメイク版サイコの時代設定は1998年。穴から隣部屋を覗くなんてあまりにも古典的すぎます。あと、ウィリアム・H・メイシー演じる探偵アーボガストがベイツ屋敷の階段から落ちるシーンの当時の撮り方を真似ているのですが、今わの際に探偵の目に牛とか裸の女とか浮かんだ後、殺人者の姿がぼんやり映ってる部分はガス・ヴァン・サント流に進化しています。
とにかく、この作品は過小評価されすぎています。もう一度見直して欲しい作品です、よく見ると面白い映画なんです、ほんと。
”ヒッチコックの崇拝者に圧力をかけられたんだろう”とか”「いまさらこの傑作をリメイクしてどうなるの?”」って見もしない否定的な人々に潰された”とか考えていましたけど、実際のところどうなんでしょうね。



ストーリー
恋人との結婚を望むマリオンは、会社の大金を横領して町を出る。夜、豪雨の中彼女は人里離れたモーテルに宿を求める。そこは好青年ノーマン・ベイツが年老いた母親の面倒を見ながら、一人で経営しているさびれたモーテルであったが、彼女がシャワーを浴びた時、その恐怖は始まった……。
allcinema より)

キャスト
ノーマン・ベイツ  ヴィンス・ヴォーン
マリオン・クレイン  アン・ヘッシュ
ライラ・クレイン     ジュリアン・ムーア
サミュエル・“サム”・ルーミス  ヴィゴ・モーテンセン
ミルトン・アーボガスト  ウィリアム・H・メイシー
保安官アル・チェンバース     フィリップ・ベイカー・ホール
エリザ・チェンバース     アン・ヘイニー
医師フレッド・サイモン  ロバート・フォスター
パトロール中の警官      ジェームズ・レマー
キャロライン     リタ・ウィルソン
ローリー社長     ランス・ハワード

スタッフ・作品情報
監督     ガス・ヴァン・サント
脚本     ジョセフ・ステファノ
原作     ロバート・ブロック
製作     ブライアン・グレイザー、ガス・ヴァン・サント
製作総指揮     ダニー・ウルフ
音楽     ダニー・エルフマン
撮影     クリストファー・ドイル
編集     エイミー・E・ダドルストン
製作会社     イマジン・エンターテインメント
配給     ユニヴァーサル映画(アメリカ合衆国)
UIP(日本)
公開      1998年12月4日(アメリカ合衆国) 1999年9月11日(日本)
原題  Psycho



ちなみに「サイコ」のオリジナル版を初めて見たのは、日曜洋画劇場でのヒッチコックの追悼放送でした、ということは1980年です。
とても斬新でショッキングでしたね、あのシャワーシーンとか顛末...すべてにおいてです。
お金を持ち逃げする主人公とおぼしき女性の内面を描いてる導入部、車を運転しながらの精神的に追いつめられて行くあのシーンです、特に。散々感情移入させながら、事件に巻き込まれてあっさり殺してしまう。
そして思いがけないラスト。

オープニングタイトルもオリジナルと見比べてみると面白い!モノクロでしか見たことがなかったから、グリーンでくるとは思いませんでした。
オープニングタイトルが終わって、フェニックスの俯瞰からホテルの一室に入っていくカメラワークとかね。あ、そうそうヴィンス・ボーンもアンソニー・パーキンスとは全く違うタイプなんだけれど、うまい俳優さんですよね。

詰まるところ、なぜ本作が駄作と言われるか?
完璧だったオリジナルが存在するから、つくり直す必要なし!ということでしょう。
完璧なコピー作品でなく、監督オリジナルな作品にリメイクすればもっと受けたかもしれませんね。


監督タグ:ガス・ヴァン・サント



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