My Cinema Talk World: 『マイ・フレンド・フォエバー』 ー あの頃のレンフロがよみがえる ー

2014/08/28

『マイ・フレンド・フォエバー』 ー あの頃のレンフロがよみがえる ー


子役をドラッグから守るべきだね

久しぶりに「マイ・フレンド・フォエバー」を観ました。
DVDで観るのは初めてです。
1996年あたりの作品だがなぜか何年もの月日を経てようやくDVD化されたのです。
どうせならブラッド・レンフロが亡くなってすぐ発売されればよかったのに。
この作品、日本では「マイ〜・シリーズ」というかなり軽いノリで扱われていて皮肉なことにブラッド・レンフロ存命中はそれほど注目されず、亡くなってしばらくしてから評価されるようになったように感じます。
初見はまだ独身で実家にいる頃、WOWOWで放映されたのを初めて観て痛く感動し、再放送でビデオに録画して繰り返し何度か見直していました。
ブラッド・レンフロが輝いていたのはこの作品と「依頼人」だと思えるのは少年時代の限られた時期に放たれるオーラのせいでしょうか。
悲しいかな、ブラッドもハリウッド子役スターの辿る道を歩んでしまいました、25歳で亡くなる最後のインタビューの動画を観ましたが何もかも(とくに容姿が!)変わってしまっていて驚きました。
少し遡ってエドワード・ファーロング然り... 子役俳優をドラッグやアルコールから守る新たなシステム、プロジェクトを作るべきではと思います。

キャスト
エリック:ブラッド・レンフロ
デクスター:ジョゼフ・マゼロ
リンダ(デクスターの母):アナベラ・シオラ
ゲイル(エリックの母):ダイアナ・スカーウィッド
スティーヴンス医師:ブルース・デイヴィソン

スタッフ
監督     ピーター・ホルトン
脚本     ロバート・クーン
製作     マーク・バーグ エリック・アイスナー
音楽     デイヴ・グルーシン
撮影     アンドリュー・ディンテンファズ
公開     1995年4月21日(アメリカ) 1995年8月12日(日本)
原題 The Cure

ストーリー
エリックの家の近くに、ある少年が引っ越してきた。彼の名はデクスターといい、HIVに感染していた。初めは彼を警戒するエリックであったが、次第に打ち解けあい、友情を深め合う。
雑草を煎じて飲ませ、エイズに有効な特効薬を探すも、失敗する。
ある日、エリックとデクスターはニューオーリンズで「エイズの特効薬が見つかった」というゴシップ雑誌を目にし、ニューオーリンズへ繋がっているという川を下る旅に出る。
(Wiki より)



2人の少年の相反する家庭環境と宿命

「マイ・フレンド・フォエバー」は原題「The Cure」=特効薬。
主人公であるエリックが(ブラッド・レンフロ)隣に住むエイズの男の子デクスター(ジョゼフ・マゼロ)と友達になり、やがて心を通わせるうち2人はエイズの特効薬を探し始める。
入り組んだストーリーなどは全くない、少年2人のひと夏の物語。
なんとなしにラストへの展開は、予想できてしまいます。
11歳の少年デクスターは、やがて迎えるであろう死を冷静に受けとめ哀しみを隠し、彼に少しでも楽しい時間を作ろうと努力している母親に対し健気に応えつつ死の恐怖と戦いながら生きています。
デクスターもエリックも父親はなく、母親と2人暮らしとういう同じ境遇です。
エリックの父親は家を出て現在は若い女性と暮らしていて、彼の母親も1人で家庭を支えていかなければならず毎日必死、形相はいつも険しく常に息子に背を向けた状態。
同じ家族構成であっても、エリックの母親には何かが抜け落ちている、それは息子を思いやる心。
心が通いあっていないのに半ば暴力で自分の言いなりにさせようとします。
もしかしたら息子の顔やちょっとした仕草に自分たちを捨て、若い女性と暮らす夫の面影を見ているのかもしれないし、毎日クタクタになるまで懸命に働いてるのに、それを認めない我が子が腹立たしいのかもしれない。
エリックの母親は、エイズの子供に近づけたくないという偏った思考があり、デクスター家族と関わっていると知ると暴力で引き離そうとする。
つねに息子に親としての愛情を注ぐデクスターの母。全く対照的な2人の母親。いつ逝ってしまうかわからないHIV感染者デクスターと健康だけど愛情に飢えているエリック。

冒頭エリックの黒のコンバースのアップから始まり、この作品の全編を通し2人の友情を示すディテールとして効果的に使われていてやがてラストに繋がります。



デクスターの母とエリックのふれ合い

デクスターの母親とエリックの触れ合いを描いている部分もホロっとさせられ、特に後半部分で「これ以上、貴方の息子に手を上げたら許さないわ」とエリックの母親に涙で訴えるシーンはしゃくり上げのボロ泣きになりました。
エリックがしたこと…病気の子供を連れ回したり、映画(ショーン・コネリー主演の「ザ・スタンド」)を観て雑草を摘んで煮立てて呑ませたりといった無謀な行為は大人からすればとても危険なものに見えるが、病気のデクスターにありきたりな同情を示さず、健常者にそうするように接することは実はなかなかできないことです。
デクスターの母親を演じたアナベラ・シオラも凛とした美しさと優しさに満ちた表情が素敵でした。
そして音楽もいいっ!デイヴ・グルーシンの音楽が名曲ばかりです。いまでも、日本のバラエティ番組のちょっとした冒険シーンなどに使われたりしますしね。

レンフロは亡くなっても、作品はとどまり続ける

彼はもういない。だけど映画は永遠に遺り、輝いていたあの表情や演技は不滅です。俳優とか創作者っていいなってつくづく羨ましく思います。
ブラッドの南部訛りはかっこいいし、大人をも圧倒してしまう話術と表情はどことなく演技ではなく彼自身の本当の姿なのかなと思ってしまう説得力もあります。
ちなみにDVDの日本語吹き替えではエリックが滝沢秀明、デクスターが今井翼が担当してます。完全に子供の声ですから公開当時に吹き替えされたものでしょうね、棒読み感が否めない。デクスターの母親の声も合ってない気がしますね^^;

注)別ブログ2012/5/26の記事を加筆修正しています。




ギター好きだったブラッド・レンフロ。貴重な撮影の合間のひとこまです(画質イマイチ)



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