2014/11/06

「マップ・トゥ・ザ・スターズ」ー ハリウッドの裏側をシニカルに炙り出した快作(怪作?)



12月に日本公開の「マップ・トゥ・ザ・スターズ」を一足先に観ることができました。

ストーリー
ワイズ一家は原型的なハリウッドの名家。スタンフォード(ジョン・キューザック)はアナリストとメンタル面のコーチを生業(なりわい)にし富を手にしていた。
妻 クリスティーナ(オリヴィア・ウィリアムズ)は、13歳の子役俳優である息子ベンジー(エヴァン・バード)の仕事の世話をしている。
スタンフォードの顧客の一人、女優のハバナ(ジュリアン・ムーア)は母親のクラリス(サラ・ガドン)がスターになるきっかけとなった60年代映画のリメイク版を製作することを夢見ていた。
一方でハバナは毎晩のように亡きクラリスの亡霊に付きまとわれていた。
そんな中、ベンジーは9歳の時に加入したリハビリ・プログラムから抜けてしまう。
ベンジーの姉 アガサ(ミア・ワシコウスカ)は過去に放火事件を起こし自分も半身に火傷を負い治療を受けていが療養所から退院し、ハリウッドにやってくるのだが...

キャスト   
    ジュリアン・ムーア   
    ミア・ワシコウスカ   
    オリヴィア・ウィリアムズ   
    サラ・ガドン   
    エヴァン・バード   
    ジョン・キューザック   
    ロバート・パティンソン

スタッフ・作品情報
監督     :デヴィッド・クローネンバーグ
脚本     :ブルース・ワグナー
原題     :MAPS TO THE STARS
製作年  :2014年
製作国  :カナダ/アメリカ/ドイツ/フランス
日本公開:2014年12月20日



もちろん
ネタバレなしです!

イタい人たち大集合!
辛辣で面白い作品でした。
常日頃想像していたハリウッド俳優の裏表がそのままあぶり出されてます。
登場人物がことごとくメンタルが弱過ぎて、今はしゃいでたかと思えば急にどん底に突き落とされた体(てい)で「早く、クスリちょうだい!」といった調子。
俳優などの金持ちたちのメンタル面をケアする仕事をしてるスタンフォード、そして妻クリスティーナもかなり酷い。
スタンフォードがやっている仕事自体が、やたらとうさん臭すぎる。
あの治療法は一体何なの?ヘンな問答や寸劇みたいなSM的な荒療治には、とにかく笑えちゃいます。
豪華俳優陣が揃った本作は、子供らしい扱いをしてもらえない子役たちと、小さな頃から偉大な女優である母の影を追いかけて育った落ち目な中年女優の悲哀をコメディとアイロニーを交えて描いています。
登場人物は、常に地位や名誉・欲望に捕われている精神状態で、人格を喪失してしまっているんですね。



この映画の見所といえば、やはりハバナ役のジュリアン・ムーアの怪演でしょう。
まさか、この映画を最後にやめちゃうの?ってくらい恥も外聞も投げ捨ててやっちゃってますから。
努力が報われて第67回(2014年)カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得したそうです。もう、「ビッグ・リボウスキ」の素っ裸でロープで吊り下げられて飛びながら絵を描くアーチストどころじゃないんです。
見ているこちらが恥ずかしくて目を覆ってしまうようなシーンが盛りだくさんで、「この人一体どんだけやねんっ!!」って賞賛とともに白い目で見ちゃいましたよ。
トイレで入って恥ずかしげもなく... のシーンとかね^^;
ミア・ワシコウスカは、「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」と同じで、遠くからフラッとやってきて、表向き平和に収まっている状況をめちゃめちゃにする「破壊者」的役どころ、今回もまた狂言回し的立ち位置。ピッタリですね、こういう役。
女優 キャリー・フィッシャー(スター・ウォーズのレイア姫役)とTwitterで知り合って、そのコネでハバナと知り合えたという設定は、現実にもありそうな気がします。
ハバナとアガサがプールサイドで ♪ナナナァナ、ナナナナァーナ♪って踊りながら歌うとこがいいですねぇ、愉快で...
アガサは腹の底では「なんなのよ、このオバさんは」って思ってましたね、絶対。
「トワイライト」のロバート・パティンソンは、何を考えてるかわからない日和見主義っぽい脚本家を夢見る、チョイやくをしながら運転手の仕事をする若者役。
これが本作の脚本家ブルース・ワグナーなのでしょうね。
私、「トワイライト」って一作目を見て眠ってしまってそれ以来見ていないのだけれど…(余談ですが^^;)
今回のパティンソンの役はパッとしないぼんやりした性格が不思議にマッチしていてよかった、演じ切ってました。

病んだ人たちの描き方が秀逸で、大人たちが子供に対して犯してきた罪の大きさが驚くべきラストに繋がっています。



「マップ・トゥ・ザ・スターズ」というタイトルが、美しい星空をイメージさせますが、スターというのはここではハリウッド・スターというドロドロしたものです。「スターところどころ」とでもいうべきか。
ハリウッドでリムジンの運転手をしていた脚本家の実体験をもとに書き上げられた作品ということがこれまた驚きです。
とにかく面白かったですわ!好みです、こういう作品。


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