My Cinema Talk World: 加藤武 追悼『悪魔の手毬歌』。子どもの頃の読書のこととか...

2015/08/27

加藤武 追悼『悪魔の手毬歌』。子どもの頃の読書のこととか...


横溝フリークだったあの頃…


先月、俳優の加藤武さんが永眠されました。
「わかった!! 」
でおなじみの等々力警部…だと思っていたら、作品によって立花警部だったりしていたんですね。今更ながら、そこに気付きました。
昨日は、CSの日本映画専門チャンネルで、久しぶりに「悪魔の手毬歌(1977年)」を観賞しました。
小学校時代に横溝正史フリークで、映画版 市川崑監督とテレビ版の「横溝正史シリーズ」を欠かさず見ていました。
横溝正史の小説といえば、必ず何十年も遡ったところに、血族が争うきっかけともなる性と金、欲にまつわるドロドロとした出来事が絡まってきます。
よくぞ、そんな小説や映画が好きだったものぞ、この変態小学生!
その頃、私は、おかしな本や映画に執着し、頭の中でそれをこね回し空想しては、文章やマンガにしようとしていました。江戸川乱歩の小説なども、子どもらしい「少年探偵団」などよりも「一寸法師」や「人間豹」みたいなおどろおどろしかったり、変態チックな小説を好んで読んでいました。
ただ、頭にはいろいろ浮かんでも、小学生なので実生活での経験が極端に少ない故、なかなか思うように書けなかった…絵は、超下手くそだったし。
吸収はしても、排出口が小さ過ぎました。
とにかく「一寸法師」という作品はお気に入りで、小学校三年の時、はじめて読んで(講談社 少年版江戸川乱歩選集)以来、5、6回は繰り返して読んでいたと思います。



キャスト
金田一耕助:石坂浩二
青池リカ:岸恵子
別所千恵:仁科明子
青池歌名雄:北公次
由良敦子:草笛光子
由良泰子:高橋洋子
井筒いと:山岡久乃
お幹:林美智子
別所春江:渡辺美佐子
立花捜査主任:加藤武


スタッフ・作品情報
監督     市川崑
脚本     久里子亭
原作     横溝正史
製作     田中収、市川崑
音楽     村井邦彦
撮影     長谷川清
製作会社     東宝映画
配給     東宝
公開     1977年4月2日

欲をいえば、キリがない…

前置きが長くなりましたが、江戸川乱歩が好きだったので、自然と横溝正史に移行していったことをお話したかったのです。

さて、「悪魔の手毬歌」も市川崑監督作品です。
オープニングタイトルの凝りようなども、「犬神家の一族」と通じるところがありますが、やはり横溝正史×石坂浩二 金田一の二本目とあって新鮮みはなくなっている気がします。(その当時は見られるだけで満足でした^^; )
時々、音楽にジャズの即興っぽい音が入りますが、これスタイリッシュでよいのです。
改めて今見直すと、カメラワークや音楽をもっとあちこちにちりばめてもよかった気がします。子どもの頃は、これで大満足だったんですけどね…
それと、作品の盛り上げ役の加藤武さんをもっと、派手に出してもらいたかった。やはり今だから、そう思えるのかもしれないけれど。
作品の全体像も、ぼやけちゃってる気がしました。もっと、メリハリがあってもいいかな。

何はともあれ、金田一耕助(石坂浩二)、磯川警部(若山富三郎)と青池リカ(岸恵子)の三つ巴の演技に注目です。
特に、パリのおばさま(“赤いシリーズ”より) 岸恵子さん、当時45歳。まぁ、とにかく美しいこと。気品がある美しさ!
作中、若い頃に三味線をひいて舞台に上がってた時の役名が、“スン子”というのも少し受けてしまいました。
要は“ あの男 ”が、女にだらしなくさえなければ、何ごともなく済んだんだろうに...
だよね。



高橋洋子さんがすぐに殺されてしまう役というのは、ちょっとした驚きです。子どもの頃、ああいう雰囲気の女性になりたいなぁって憧れていました。
白石加代子さんが、おどろおどろしくて不思議な雰囲気を醸し出していました。舞台女優さんらしい演技ですね。
金田一とおばあさんが峠ですれ違う絵が、名シーンすぎて頭に焼き付いて離れません。 

昭和26、7年あたりのお話だと思いますが、その時代の田舎の若者たちの青年会っぽい...お盆、正月に集まって飲み会とか村の消防団の寄り合いとかそういう有り様、大人たちの風習に縛られている感じが、今見るからこそ新鮮でいいなと感じます。
子どもの頃に見た映画という固有のノスタルジーが、自分をその時代に誘ってくれます。
何か、今この季節に見るのが意外にいいものですね…




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