My Cinema Talk World: シング・ストリート 未来へのうた

2017/02/03

シング・ストリート 未来へのうた



とにかく、とにかく(しつこい^^; )泣かせる映画です。
“泣かせる”とひと言で言っても、さまざまありますが、『シング・ストリート』に出てくる登場人物は、あの時代の私であり、80年代に青春まっただ中だった人たち!
もう、悶絶します。
面白かった!
80年代に青春を過ごした世代にはたまりません。
思い当たるフシがありすぎて死ぬかと思いました。
こんな映画でデートしたい!
(映像ディレクター 大根仁)
TSUTAYA CLUB magazineより

岡村ちゃん(岡村靖幸)も、“キュンキュンする青春がたまりません。”
なんていってましたが、まったく同じでございます。


シング・ストリート 未来へのうた(原題:Sing Street)

監督:ジョン・カーニー / 製作年:2016年


初ビデオ撮影。完全にニューロマンティック路線

主人公コナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)が兄弟や両親とリビングに集って当時の音楽番組を見ながらワイワイやるシーン。
MTVやベストヒットUSAの時間になるとテレビの前に陣取って食い入るように見ていた頃を思い出してしまう。
まだ、MVなどが世の中に広まったばかりの時代―――バンドがヒラヒラの衣装でメイクをしてパフォーマンスしていた、あの時代。
まさにデュラン・デュランやスパンダー・バレエ、ヒューマン・リーグ、ABC…ニューロマンティックとかつて呼ばれていたバンドが大活躍していました。
今の時代に、あのMVを見ると「うわっ!何このダサいの!! 」なんて言われるかもしれないけれど、当時見ていた私たちは、「ジョン・テイラー、最高だわぁ~」なんて胸ときめかせてました。
ヘアスタイルなんかも髪の上の方を盛り上げて、真似したりしてましたよ…恥ずかしいけど^^;
ブリティッシュに夢中になってる途中で’84年プリンスに出会って、彼の音楽中心になっていったんですけどね。

映画の話からすっかりそれてしまいました。『シング・ストリート』に話は戻って。
ストーリーよし、音楽よし、特に演出が冴えてると思います。
音楽の使い方が素晴らしいんですよね。
リチャード・リンクレイターなんかも音楽の入れ方が上手な監督さんなんですが、カーニー監督はそれを越えるかも。

驚いたのがシング・ストリート名義の楽曲のプロデュースは、あの『Mary’s Prayer』で知られる(以前記事にしました)ダニー・ウィルソンのメンバー、ゲイリー・クラークだそうなんです!
うわぁ、曲の雰囲気とか歌詞でキュンっとなりましたが「なるほどぉ~」って感じです。
できれば、ラストも彼の楽曲にして欲しかった…。

エコバニのイアン・マッカロクっぽくなってるコナーくん! 音楽もネオアコっぽい路線へ


ストーリー
ケンカが絶えない不仲な両親の間で、それぞれの悩みを抱えながら生活しているコナーとその兄弟たち。
兄のブレンダン(ジャック・レイナー)は、大学を中退し、夢をかなえるためにドイツに渡りたかったところを親に引き止められて引きこもり生活に。
姉のアン(ケリー・ソーントン)は、大学で建築を学んでいるが本意ではないらしい。
父(エイダン・ギレン)は職がなく、母親(マリア・ドイル・ケネディ)は週三日の仕事に出ている。
このギリギリの状態で生活費を切り詰めるために、コナーを学費のかからないカトリックの学校 シング・ストリート高校に通わせることになる。
学校はいかにも育ちの悪い生徒ばかりの上、校長は決められた色の靴を履いてこないコナーを裸足にさせたりのスパルタ式。
不幸な毎日を送るコナーは、モデルをしているという謎めいた女の子 ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)と出会う。
バンドをしている自分たちのMV(ミュージックビデオ)に出ないか?と誘いをかけるコナー。
….もちろん、バンド活動などしたこともないというのに。
出演OKの返事をもらったコナーはメンバーを集めバンドを結成する。


シングストリート高校(Synge Street CBS)は、ダブリンに実在する学校で本作の監督 ジョン・カーニーが実際に通っていた高校だそうです。
そのモットーは劇中にもあるとおり「Act Manly(雄々しくあれ)」。
コナーの家は苦しいながらも、労働者階級でも上の方にいたように見えます。
余談ですが、同じ時代のダブリンを描いた音楽映画『ザ・コミットメンツ(1991)』では、若者たちはもっと荒んだ感じの掃きだめのような街で、皆実業保険を受けて生活していました。
労働者階級の下層に位置する彼らがバンドを結成、オーディションに出場したりでレベルアップするにしたがって、内部抗争が勃発…といった内容。
少し違うのは彼らが目指す音楽が、こてこてのソウルミュージックであるところ。
『ザ・コミットメンツ』のコーラスの女の子3人組の中の1人が、コナーのおかあさん役を演じているのも感慨深い部分。

本作を見ていると、『あの頃ペニー・レインと(2000)』とどうしてもダブるところがあるんですね。
コナーの兄貴ブレンダンが、『あの頃…』の中で主人公にライター目線から熱弁をふるいつつロックを伝授する師匠 レスター・バングス(演 フィリップ・シーモア・ホフマン)であり、音楽の聴き方を教えてくれたウィリアムの姉(ズーイー・デシャネル)の役割を果たしています。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』を意識したシーン(プロムシーン、「海の深海パーティ」は、50年代の共学の高校のイメージ)は、ミュージカル風に演出されて、その辺も80年代半ばを回顧できる部分です。

カーニー監督は、子役(子役というよりはティーンアクターかな)の使い方も上手です。
バンドのメンバーたちは、数多くのティーンの中からオーディションで選りすぐった子たち。
主役 コナーを演じるフェルディア・ウォルシュ=ピーロは、ほっぺが赤いまだまだ青さが残る男の子だったのに、バンドのスキルがあがるとともに大人っぽくなっていくところがリアルでした。
バンドでコナーとともに作曲するギター担当のエイモン(マーク・マッケンナ)も、80年代の子役俳優コリー・フェルドマン+シャイア・ラブーフを足した雰囲気でオーラを漂わせています。
エイモンがいつもウサギを抱いているのは、『ザ・コミットメンツ』のガラクタ屋のダフィーからの発想じゃないかなと思います。
重要な役割を果たしているコナーの兄 ブレンダン役のジャック・レイナー。
見た目はタフなのに、実は繊細なんですよね、ああいうタイプの男の子。
彼は、見た目デイヴ・リー・ロスがいたころのヴァン・ヘイレンのベース マイケル・アンソニーとかセス・ローゲンに似た風貌で一度見たら忘れないルックスです。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のダンス・パーティ風に

長くなりすぎたので、そろそろ占めましょう!
ラスト・シーンではもう、うわぁ〜!って涙が溢れました。
古いですが『小さな恋のメロディ(1971)』のトロッコを漕いでいくシーン、はたまた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』のラストを思わせます。
弟を見送るブレンダンは、まさに『グッド・ウィル・ハンティング』のベン・アフレック。
コナーの成長を描く一方、兄と弟の物語でもあります。
ラストで流れる音楽は、MAROON5のアダム・レヴィーンが歌っています。

DVDが発売されたばかりなので、是非一度見て欲しい作品であります。
特に、80年代に青春してた人たちや80’s音楽が好きな方にオススメの一本でした。

作品情報
シング・ストリート 未来へのうた
(原題:Sing Street)

監督・原案:     ジョン・カーニー
原案     :     サイモン・カーモディ
製作     :         
    アンソニー・ブレグマン
    ジョン・カーニー
    ケヴィン・スコット・フレイクス
    クリスティアン・グラス
    マルティナ・ニーランド
    ラージ・ブリンダー・シン
    ポール・トライビッツ
撮影     :     ヤーロン・オーバック
編集     :    
    アンドルー・マーカス
    ジュリアン・ウルリッチ

80'sの音楽についても、もっと書きたかったのですがとにかく長くなりすぎましたので別途記事にしようと思います。

ホール&オーツの『Maneater』のあの有名過ぎるベースを使ったシング・ストリート名義の曲『Drive It Like You Stole It』も、ものすごくよいっ!!!







にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村