My Cinema Talk World: 5月 2017

2017/05/28

ライト/オフ― 久々、怖かった!!


監督 デヴィッド・F・サンドバーグが2分半くらいのショートフィルムとして動画サイトで公開。
何千万回(詳細は忘れました)とか再生されたことから映画化に至った作品です。
気になっていたので録画して(WOWOWで放映)見てみました。
ホラーが苦手なので、何でも大抵の作品は怖がる自分です...ほんと、怖かったです。
珍しく主人(ホラー好き)も「面白かった!」という感想でした。

ライト/オフ(原題:Lights Out)

監督:デヴィッド・F・サンドバーグ/製作年:2016年


ストーリー
母親 ソフィー(マリア・ベロ)が心を病んでから、実家を出てひとり暮らしをしていたレベッカ(テリーサ・パーマー)。
「電気を消すと、何かが来る。ママの様子も変で夜眠れないんだ」と実家に母親と2人で住む弟 マーティン(ガブリエル・ベイトマン)から相談される。
実はレベッカには思い当たる事実があった、彼女が家を出た理由も、それが原因だったのだ。
苦しんでいる幼い弟を見ながら、今度こそは家族を見捨てずに正体を突き止めようと決意する。
照明を準備し、実家に乗り込んだレベッカだった。

キャスト
テリーサ・パーマー:レベッカ
ガブリエル・ベイトマン:マーティン
ビリー・バーク:ポール
マリア・ベロ:ソフィー

スタッフ
監督:    デヴィッド・F・サンドバーグ   
製作:    ジェームズ・ワン    ローレンス・グレイ    エリック・ハイセラー
脚本:    エリック・ハイセラー   
撮影:    マーク・スパイサー   
音楽:    ベンジャミン・ウォルフィッシュ
原題:    Lights Out(2016年 アメリカ映画 )

ママ、あなたが一番怖いのよ!

2017/05/21

リトル・オデッサ ― 90年代映画の傑作


90年代、劇場で見られなかった映画をWOWOWの番組表を綿密にチェックして見ていた時期があった。
その頃、本作『リトル・オデッサ』をみて尠からず衝撃を受けたのだった。
何が衝撃だったか ――
作品そのものの持つ雰囲気とテンポはそれまでに見たことにないものだったし、見るものを突き放した残酷な結末にはさすがにたじろいでしまったのだ ―― タイトルから勝手にほのぼのとした作品だと勘違いしていたから...

監督 ジェームズ・グレイ、若干25歳のデビュー作。
彼の作風である、ノワールではあるがオープニングから終始流れる静謐な空気は『Berliner Messe - Sanctus』の音楽の効果もあるのだろう。

リトル・オデッサ(原題:Little Odessa)

監督:ジェームズ・グレイ/製作年:1994年

ストーリー
舞台はニューヨーク・ブルックリンのブライトン・ビーチ――リトル・オデッサと呼ばれる地区。
ここで生まれ育ったロシア系ユダヤ人ジョシュア(ティム・ロス)は、このエリアを牛耳るマフィアのボス ヴォルコフの息子を殺したために故郷に戻れない状態にあった。
ヒットマンとして自らの手を汚してきた彼にリトル・オデッサでの仕事が舞い込み、仕方なしにこの地に戻ることになる。
喜んでくれるのは久々に会う弟のルーベン(エドワード・ファーロング)だけ。
母のイリーナ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は脳腫瘍で余命いくばくもなく、父のアルカディ(マクシミリアン・シェル)はジョシュアを家に入れるつもりもない。
ジョシュアはかつての恋人アラ(モイラ・ケリー)と再会、忘れかけていた恋が再び燃え上がる。
一方、ヴォルコフは、ジョシュアが戻っている噂を聞きつけ彼の行方を追っていた。
アルカディは、ヴォルコフに借金がありジョシュアの居所を教えるよう迫られていたが、ついに息子を裏切ってしまう…

キャスト
ジョシュア・シャピラ:ティム・ロス
ルーベン・シャピラ:エドワード・ファーロング
アラ:モイラ・ケリー
イリーナ・シャピラ(母):ヴァネッサ・レッドグレイヴ
アルカディ・シャピラ(父):マクシミリアン・シェル
ボリス・ヴォルコフ:ポール・ギルフォイル
サシャ:デヴィッド・ヴァディム

スタッフ・作品情報
監督     ジェームズ・グレイ
脚本     ジェームズ・グレイ
製作     ポール・ウェブスター
音楽     ダナ・サノ
撮影     トム・リッチモンド
編集     ドリアン・ハリス
製作会社     ニュー・ライン・シネマ
配給     Fine Line Features(アメリカ)
           メディアボックス=シネセゾン(日本 )
公開     1995年9月19日(アメリカ)
            1995年12月23日(日本)
原題     Little Odessa

故郷リトルオデッサにやむなく戻るジョシュア

2017/05/17

パターソン(Paterson)− チクショウ、詩が好きだ。誰か文句あっか!?(by ジム・ジャームッシュ)


前作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』から約3年。
ジム・ジャームッシュ作品はヴァンパイアのカップルではなく、平凡な毎日を送る生身の人間たちのお話だ。

パターソン(原題:Paterson)

監督:ジム・ジャームッシュ/製作年:2016年

ストーリー
ニュージャージー州パターソンに暮らすパターソン(アダム・ドライバー)は、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)とフレンチブルドッグのマーヴィンと暮らしている。
市の巡回バスの運転手をしている彼は、いつも同じ時間に起床し職場に向かう。
仕事の合間に詩を書き、秘密のノートに記している。
夜は行きつけのバーで、一杯のビールを飲むことがささやかな楽しみ。
毎日毎日同じルーティンは続く...そんなパターソンのある一週間の物語。

キャスト
パターソン:アダム・ドライバー
ローラ:ゴルシフテ・ファラハニ
エヴェレット:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
マリー:チャステン・ハーモン
ドック:バリー・シャバカ・ヘンリー
日本人の詩人:永瀬正敏

スタッフ・作品情報
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
製作:ジョシュア・アストラチャン、カーター・ローガン
音楽:カーター・ローガン
撮影:フレデリック・エルムス
製作:
K5 International
Le Pacte
Animal Kingdom
Inkjet Productions

公開:
2016年5月16日 カンヌ国際映画祭
2016年11月17日 ドイツ
2016年12月21日 フランス
2016年12月28日 アメリカ



無欲な男、パターソンが織りなす不思議な詩の世界

アダム・ドライバーが演じるのは、巡回バスのドライバー。
ちょっぴりジョークのようなキャスティング。
彼の名前は、パターソン ―― パターソン(アメリカ ニュージャージー州)に妻と小さな家に住む地味な労働者階級の男。
詩を書くこと以外に物欲は一切ない。
詩と妻の笑顔があれば「何もいりません!」といってもいいほどの無欲な人間だ。
毎日見慣れた同じ市内の風景の中、運転しながら自然に聞こえてくる乗客の会話に耳を傾けながら時おり見せる微かな笑顔。
そうしている間に、時計の針は彼の意識を超えて勝手に進み続ける。
働く人なら覚えがある「無意識のうちに時間が過ぎてた」ってやつだ。
街の空気と流れ行く景色に包まれながら、パターソンの書く詩の世界に入り込んでいく。
彼が生み出した詩が音(サウンド)のように流れてくる、アダム・ドライバーのボイスオーバーが心地いい。

ローラは、同じアーティストタイプとはいえ、パターソンとは真反対の性格。
家中のカーテンを始めあらゆるものにサークル(円)を描きまくったり、カップケーキを焼いている。
常に新しい何かに挑戦するタイプの美しい女性だ。
妻が毎日作るエキセントリックなカップケーキやピザにパターソンは「おいしい!」と笑顔で応える、少しだけ引きつっているのだけれど。
妻の笑顔を見られれば、それだけで日々幸せなのだ。

アーティストのローラ。サークル模様が大好き!

詩、そしてウィリアム・カルロス・ウィリアムズへのオマージュ

パターソンの敬愛する詩人、ウィリアム・カルロス・ウィリアムズ。
彼が残した詩集『パターソン』は、5部から成る難解な詩集だ。
現代人の心と都市の間の類似を、特殊な表現手法を使って編んだ作品 ―― それはさながら、短編小説、手紙、新聞記事などを切り貼りしたコラージュのようだ。

ローラが朝、何気なく発した言葉はパターソンのいく先々に形を変えて登場する。
バスの乗客が発する会話、夜のバーに居つくバーフライ ―― 周囲の人たちは主人公となんらかの糸で繋がっている。
パターソンに暮らす人たちは個として存在し、様々な問題や憂鬱を抱えて生活している。
まるでウィリアム・カルロス・ウィリアムズの詩に登場する苦悩の元に事件を引き起こす人たちのように。
しかしながら、ウィリアムズの詩集のように誰かが滝で綱渡りをするでもない。
またしても映画全体の流れを大きく変えるような大事件は起こらない。

帰宅するとなぜいつもポストが倒れてるの??

パターソンの滝

パターソンが妻の手作りのパンケーキを食べながら詩作をする場所が、パターソン市で有名な大滝(The Great Falls)だ。
詩集『パターソン』が複雑な手法をとりつつ、結局はパターソンという土地とそこに流れる滝に帰着するように、ラストシーンでは主人公もこの大滝に戻ってくる。
―― ここでは涙を必死でこらえる アダム・ドライバーに惹かれること必至だ。

この重要なシーンに登場するのが、彼...『ミステリー・トレイン』の時、どこかへそ曲がりの若造 ジュンを演じた永瀬正敏だ。
二人は、これまたある共通点で繋がってくる。
パターソンにとっては、それこそ“Aha experience”と言えるだろう。
(わかりづらい説明で申し訳ないが、映画を見ればわかる...はず)

A-ha !!!
映画『パターソン』は、主人公が愛してやまない“詩”へのオマージュ、つまり監督が試みた映像と詩の融合だ。
日々の生活と自身の創る詩との間を漂うふわふわした感覚は、見る者に不思議な心地よさを感じさせる。
本作は、労働者階級の主人公 パターソンの生活と彼が織りなす詩の世界が、クロスプロセスのように描がれているのだ。
例によってジャームッシュ監督らしい会話劇ではあるが、登場人物の表情に思わず引き込まれてしまう。
その視座は定距離でいながら、大きく包み込むような優しさが感じられる。

日々を規則正しく慎ましく平穏に送っているパターソンだが、ローラとマーヴィン(犬)との三角(2人と1匹!)関係も注目すべきだろう。
彼女はマーヴィンに話しかける時赤ちゃん言葉になるのだが、それを穏やかならざる様子で見ているパターソンの表情に要注意だ。

パターソンのライバル?! ブサカワ犬のマーヴィン

僕は詩人たちをアウトローの幻視者だと思う。
なんていうか、詩が好きだ。
チクショウ、詩が好きだ。誰か文句あるか!?
by ジム・ジャームッシュ

『Jim Jarmusch Interviews』(東邦出版)より
(1999年11月15日 第43回 ロンドン・フィルム・フェスティバル ナショナルフィルムシアター&『ガーディアン』誌インタビュー)



『パターソン』は、8月26日から東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。

2017/05/04

恋人たちの予感 − 男と女は複雑なのである!


当時一番仲良しだった友達と劇場でみた映画だ。
「男女の間に友情は成立するか?」
映画が終わった後、このテーマを食事をしながら真剣に語らったのだ。
そうは言っても、恋愛経験豊富な友達ほどこの映画を真剣に捉えていなかったのは否めない。

自分勝手に夢の中のヒロインでいたい女という生き物は、“ひたむき”を装う為に信じていないものも信じていると平気で言えるのだ。
サリー(メグ・ライアン)にしたとて“ぶりっ子”的な振る舞いが多すぎるではないか。時にお得意の涙を駆使して生真面目なハリー(ビリー・クリスタル)を散々振り回し続けた…要は彼女は一枚上手だ

冷淡な批評をしていた当時の自分。
映画のハリーが言うように、セックスによって男女間の友情、信頼関係は消えていくと知っているのに、そうではない“ふり”をしているサリーは性悪だと…なんという斜め目線ないけ好かない若造だったことか。
久々に『恋人たちの予感』を見た感想より先に、あの時の自分の青さを思い出して少し恥ずかしささえ覚えた。

恋人たちの予感(原題:When Harry Met Sally...)

監督:ロブ・ライナー/製作年:1989年

キャスト
ハリー・バーンズ - ビリー・クリスタル
サリー・オルブライト - メグ・ライアン
マリー - キャリー・フィッシャー
ジェス - ブルーノ・カービー
ジョー - スティーヴン・フォード
アマンダ - ミシェル・ニカストロ


スタッフ・作品情報
監督: ロブ・ライナー
脚本: ノーラ・エフロン
製作: アンドリュー・シェインマン
ロブ・ライナー
音楽: ハリー・コニック・Jr
撮影: バリー・ソネンフェルド
編集: ロバート・レイトン
製作会社: キャッスル・ロック・エンターテインメント
配給: コロンビア映画(アメリカ)
    日本ヘラルド映画(日本の旗)
公開:1989年7月21日(アメリカ)
   1989年12月23日(日本)
原題: When Harry Met Sally...

結局一線を超えてしまった2人...なぜかこの後気まずい雰囲気に

2017/05/02

神様メール − 聖書は自分で作るもの!


WOWOWで鑑賞しました。

神様メール(原題:Le tout nouveau testament)


監督:ジャコ・バン・ドルマル / 製作年:2015年


ストーリー
ベルギーのブリュッセル。とあるアパートに家族と共に生活している神は、慈悲深いという人々が抱いているイメージとは真逆の嫌な人物であった。自分の部屋に置かれたパソコンを駆使して世界を管理しているが、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいた。そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、家出を考える。立ち入りを禁じられている父親の部屋に忍び込んだ彼女は、全人類それぞれの死期を知らせるメールを送信して家を飛び出してしまうが……


キャスト
ブノワ・ポールブールド神様
カトリーヌ・ドヌーブマルティーヌ
フランソワ・ダミアンフランソワ
ヨランド・モロー女神
ピリ・グロワーヌエア

スタッフ・作品情報
監督: ジャコ・バン・ドルマル 
製作: オリビエ・ローサン  ダニエル・マルケ
脚本: ジャコ・バン・ドルマル  トーマス・グンズィグ
撮影: クリストフ・ボーカルヌ
美術: シルビー・オリベ
編集: エルベ・ド・リューズ
音楽: アン・ピエールレ

原題: Le tout nouveau testament
製作年: 2015
製作国: ベルギー・フランス・ルクセンブルク合作

配給: アスミック・エース

公式サイト: http://kamisama.asmik-ace.co.jp/


使徒の中の一人、女の子になりたい男の子。