My Cinema Talk World: 恋人たちの予感 − 男と女は複雑なのである!

2017/05/04

恋人たちの予感 − 男と女は複雑なのである!


若い頃、誰にでもある愚かさを思い出す映画


当時一番仲良しだった友達と劇場でみた映画だ。
「男女の間に友情は成立するか?」
映画が終わった後、このテーマを食事をしながら真剣に語らったのだ。
そうは言っても、恋愛経験豊富な友達ほどこの映画を真剣に捉えていなかったのは否めない。

自分勝手に夢の中のヒロインでいたい女という生き物は、“ひたむき”を装う為に信じていないものも信じていると平気で言えるのだ。
サリー(メグ・ライアン)にしたとて“ぶりっ子”的な振る舞いが多すぎるではないか。時にお得意の涙を駆使して生真面目なハリー(ビリー・クリスタル)を散々振り回し続けた…要は彼女は一枚上手だ

冷淡な批評をしていた当時の自分。
映画のハリーが言うように、セックスによって男女間の友情、信頼関係は消えていくと知っているのに、そうではない“ふり”をしているサリーは性悪だと…なんという斜め目線ないけ好かない若造だったことか。
久々に『恋人たちの予感』を見た感想より先に、あの時の自分の青さを思い出して少し恥ずかしささえ覚えた。

恋人たちの予感(原題:When Harry Met Sally...)

監督:ロブ・ライナー/製作年:1989年

キャスト
ハリー・バーンズ - ビリー・クリスタル
サリー・オルブライト - メグ・ライアン
マリー - キャリー・フィッシャー
ジェス - ブルーノ・カービー
ジョー - スティーヴン・フォード
アマンダ - ミシェル・ニカストロ


スタッフ・作品情報
監督: ロブ・ライナー
脚本: ノーラ・エフロン
製作: アンドリュー・シェインマン
ロブ・ライナー
音楽: ハリー・コニック・Jr
撮影: バリー・ソネンフェルド
編集: ロバート・レイトン
製作会社: キャッスル・ロック・エンターテインメント
配給: コロンビア映画(アメリカ)
    日本ヘラルド映画(日本の旗)
公開:1989年7月21日(アメリカ)
   1989年12月23日(日本)
原題: When Harry Met Sally...

結局一線を超えてしまった2人...なぜかこの後気まずい雰囲気に

この作品の中のハリーとサリーが出会うのは、大学を卒業して夢を求めてニューヨークに向かうときだ。
付き合ってもいない男女が、何時間も車の中で一緒に過ごす。
緊張感とともに互いを異性的な目で見詰めることに当然なるだろう。
この時のサリーのヘアスタイルまさに子供時代の憧れファラ・フォーセット。
時は70年代末。
それから5年後、お互いに恋人を見つけてNYの暮らしに馴染んでいた頃飛行機の中で再び出会う。
そこからさらに5年後、30歳を過ぎてそれぞれ相方と別れ失意のどん底にいた彼らがまたまた出会う。
ここまでくれば、ただの偶然で済ますことはできないだろう。

憧れのファラ・フォーセット風。 リース・ウィザースプーンにも見える?!

一言で言ってしまえば、ハリーとサリーの成長物語だ。
本当は互いに愛しているのに、一線を乗り越えてしまうと大切なパートナーを失ってしまうことが怖くなってくる。
愛が深まれば深まるほどに。

「男女の間に友情は成立するか?」
イエスとかノーと簡単に答えは出せない気もする。
長年連れ添った夫婦は、最終的には“友情”のようなもので繋がっている。
長年ズルズルと一緒にいる彼らも、それと同じと言える。

本作は、監督のロブ・ライナーが連れ添った妻と離婚して失意の底にあった時、脚本家のノラ・エフロンに相談したことが脚本が生まれるきっかけになったそうだ。
男と女の性質をハリーとサリーを通して第三者目線で見て、観察しながら、彼らそして自らも含めての人間の男女の習性がなんとなくわかってくる、そんな映画だ。

劇中流れるハリー・コニックJr.の音楽も忘れてはならない。
アシッドジャズも盛んだったこの時期に、若手にしては珍しく古臭いビッグバンドスタイル。
当時、こういった古風なジャズをダサいと毛嫌いしていた私も彼の声と演奏に魅せられてしまった。
(演奏云々よりも彼のルックスに惹かれたとも言えるかものちにハリー・コニックJr.は俳優としても活躍している)

キャリー・フィッシャーがサリーの親友役で出演、いい演技を見せている。
当時、それまで「スターウォーズ」のレイア姫のイメージしかなかったから、彼女の老け込みように少し驚いたりもした。
昨年末、彼女は突然帰らぬひととなってしまった、とても残念だ。

『恋人たちの予感』は、メグ・ライアンお得意のラブコメとは一線を画す映画だろう。
ビリー・クリスタルについては、当時は“冴えない感じだけどちょっと面白い”くらいの薄い印象だったかもしれない。

ともかく個人的にも、80年代の“あの頃”が蘇ってくる忘れられない一本だ。



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