My Cinema Talk World: パンチドランク・ラブ ― 異常なのは彼じゃない!

2017/07/16

パンチドランク・ラブ ― 異常なのは彼じゃない!


初めて見た時の「なんだコレ感」がたまらなかった作品です。
なぜだか見るたび好きになる不思議な映画です。

パンチドランク・ラブ(原題:Punch-Drunk Love)

監督:ポール・トーマス・アンダーソン / 製作年:2002年

ストーリー
バリー(アダム・サンドラー)は、トイレの吸引棒を扱う小さな会社を経営している。
彼は口うるさい7人の女兄弟に囲まれて育ってきた。
楽しみといえば航空会社のマイレージの特典付きプリンを買うこと。
そんなバリーに様々な事件が一気に起こり始める。
姉の同僚リナ(エミリー・ワトソン)と出会い恋が発展していくかと思いきや、不覚にも一度電話したテレフォン・セックスの相手から何度も電話がかかってくるようになり、思いもよらない事件に発展していく。

キャスト
バリー・イーガン:     アダム・サンドラー
リナ・レナード:     エミリー・ワトソン
ディーン・トランベル:     フィリップ・シーモア・ホフマン
ランス:     ルイス・ガスマン
エリザベス:     メアリー・リン・ライスカブ

スタッフ・作品情報
監督     ポール・トーマス・アンダーソン
脚本     ポール・トーマス・アンダーソン
製作     ポール・トーマス・アンダーソン
ダニエル・ルピ
ジョアン・セラー
音楽     ジョン・ブライオン
撮影     ロバート・エルスウィット
原題     Punch-Drunk Love

P.T.アンダーソン監督お得意の群像劇ではない。
バリーというちょっと変わった男が、ひと目惚れした(互いに)女性のために変化していく過程を描いている。
突然キレたり泣き出したりする、バリーの性格の異常さに驚くかもしれない。
次に、バリーの身に次々と降りかかる冗談か悪夢かのような事件に唖然とするだろう。
しかしながら、一番の災厄というのは、彼があのかしましく忌々しい姉妹に囲まれていることだろう。
バリーの性格が破綻している原因はまさにここにある。
姉たちに人格を否定され、物笑いにされて生きてきた彼は、自己を内側に閉じ込めてしまったのだ。
姉妹がこんな風だから、他の女も同じようなものだという思考に走るのも当然。
“時々少年、たまに悪魔”ともいえる彼の奇怪っぷりよりも、バリーの境遇の悲惨さが堪らず、こちらまで心が砕けた。
それだから尚さら、ラストが響いてくるんだと思う。
キュンとしてジーンと沁みてくる ――。

映像は色彩が計算されているんだろうなぁ、とにかく美しい!
ブルーのフレアとか時々現れるカラフルなにじんだ絵の具のようなエフェクト。
わざと外したような音楽に ―― 「エターナル・サンシャイン」とか「マグノリア」のジョン・ブライオンが担当してる ―― 不思議に引き込まれる。

そういえば、エミリー・ワトソンとフィリップ・シーモア・ホフマンの二人は「レッド・ドラゴン」で共演してましたね。
二人とも演技派。
ゆすり屋役のP.S.ホフマンの演技がまた、例によってすごくて色白の顔を真っ赤にして怒鳴りまくるシーンが圧巻でした。

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