My Cinema Talk World: 君が生きた証 ― それぞれが踏み出す一歩

2017/07/30

君が生きた証 ― それぞれが踏み出す一歩


DVDが発売されてすぐレンタルして鑑賞。
そのまま、感想を書かずにいるうちNetflixで見ることになりました。
音楽がいいのと、ビリー・クラダップがカッコいい!
そして、やはりアントン・イェルチンを偲んでしまった。


君が生きた証(原題: Rudderless)

監督:ウィリアム・H・メイシー / 製作年:2014年

ストーリー
広告業界で働くサム・マニング(ビリー・クラダップ)は仕事の業績も上々、順風満帆だった。
そんなある日、突然生活が暗転する ――
大学生の息子ジョシュ(マイルズ・ハイザー)が、銃乱射事件でこの世を去ってしまったのだ。
心はズタズタ…マスコミに追われ、酒に溺れる日々。
2年後 ―― サムは会社を辞め、ペンキ塗りをしながら湖に浮かぶボートで生活していた。
元妻(フェリシティ・ハフマン)が整理し持ってきた息子の遺品の中に、生前彼が作詞作曲し、録音したテープがあった。
それを聴きながら、息子が発していた声を感じていた。
行きつけのバーで催しているバンドのオーディションでジョシュが作った曲を演奏したサムに、「感動した」と声をかけてきた若者がいた――
バイトをしながらバンド活動をするクェンティン(アントン・イェルチン)だった。

キャスト
サム / ビリー・クラダップ
ジョシュ /  マイルズ・ハイザー
クエンティン /  アントン・イェルチン
エミリー /  フェリシティ・ハフマン
デル /  ローレンス・フィッシュバーン
トリル /  ウィリアム・H・メイシー
ウィリー(ベース) /  ベン・クウェラー
エイケン(ドラム) /  ライアン・ディーン
ケイト・アン・ルーカス /  セレーナ・ゴメス
リサ・マーティン /  ジェイミー・チャン

スタッフ・作品情報
監督・脚本:
ウィリアム・H・メイシー

脚本:    ケイシー・トゥウェンター
ジェフ・ロビソン

製作:
キース・キャラヴァル
ブラッド・グレイナー
ジェフ・ライス

音楽:
イーフ・バーズレイ
サイモン・ステッドマン
チャールトン・ペッタス
フィンク

撮影:
エリック・リン

配給:
ザ・サミュエル・ゴールドウィン・カンパニー
ファントム・フィルム(日本)

原題:Rudderless


監督は、コーエン兄弟の映画でおなじみウィリアム・H・メイシー


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飾り気のない、ど直球でくるいい映画だ。
おもに息子が亡くなった2年後が描かれている。
一見立ち直れているように見えても、人の心は厄介なもの。
息子ジョシュの自作の曲を聴き、詞に触れて初めて
「こんなことを考えていたのか。少しでも自分が声をかけていれば」
などと悔恨したりもするだろう。
サムの歌を聴いたクェンティンが、人懐こい犬のようにサムについてくる。
彼が演奏した曲 ―― つまり、息子ジョシュの曲に惹きつけられたのだろう。

ビリー・クラダップ 『あの頃ペニー・レインと』とは一味違うカッコよさ

自分のバンドでジョシュの曲を演りたいから、サムを誘ったと思えたりもしてくる。
最初にサムが演奏した時は、アコギ一本で、エリオット・スミス風だった曲は、クェンティンたちのバンドにかかりエレクトリックな音に変わる――
見事オルタナロックに変化し観客にうけるようになり、バンド Rudderlessとしてライブ活動を始めるようになる。
Rudderlessとは「舵のない(船)」そして「当てのない」という意味で、本作のタイトルにもなっている。
心の傷が癒えず、宙ぶらりんのサム―― そして、バイトしながらバンド活動はしているがそれを続けるか自分でも分からなくなっているクェンティンのことでもある。
監督(=ウィリアム・H・メイシー)の策略がいい!
見ている側は、途中までスルスルとうまい具合に騙されていたことに気づき、「え⁇」となる。
そういう意味では、冒頭に“ど直球” と表現しているは若干違ってくる。
合わせてクェンティンの真意が掴めず(敢えて描かなかった?)、もしかしてサムに曲を提供させさらにお金を出させるだけなのかとハラハラし通し。
「お願いだから、このかわいそうなおじさんをこれ以上傷つけないであげて!」
と祈るような気持ちでいっぱいだった。

息子が通っていた大学に出向き、犠牲者の慰霊碑の前に佇み号泣するサムの姿にグッとくる。
人間は、誰かを助けることで自分の魂も救われるのかなと思う。

“ いつまでも振り返るばかりでは前に進めない、一歩踏み出すんだ ”

ラストでサムが歌う『Sing Along』は、亡くなった息子へ送る、一歩踏み出す意思表明だ。

思わず引き込まれる楽曲揃い。
ビリー・クラダップは、相変わらずギターが似合うし、アントンの鼻声で彼の作品を思い出し感慨にふけってしまう。

出演者2人に囲まれご満悦のメイシー(左は妻フェリシティ・ハフマン)



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