My Cinema Talk World: だれかの木琴 ― 奥さん、それ相当ヤバいですっ!

2017/09/16

だれかの木琴 ― 奥さん、それ相当ヤバいですっ!


人はみな本音を聞いてもらいたいと願っているのかもしれない


金曜夜9時からのWOWOW ウィークエンドエンタ!で初めて視聴しました。
最初、池松壮亮の演技が目的で見始めましたが、すっかり常盤貴子に魅せられました。

だれかの木琴

監督: 東陽一 / 製作年:2016年

ストーリー
主婦の小夜子(常盤貴子)は、夫の光太郎(勝村政信)と娘と共に東京郊外に引っ越したばかり。
初めて訪れた美容院で美容師 海斗(池松壮亮)と雑談しながら髪をカットしてもらった。
帰宅後、海斗から営業メールが届いた。それに返信した小夜子は自分でも理解しがたい感情が湧いてくるのだった。
それをきっかけに小夜子は海斗に執着し始める。
その行動がエスカレートするにつれ海斗だけでなく光太郎、娘、海斗の恋人・唯(佐津川愛美)までも巻き込んでいき、思わぬ結果に……。

キャスト
常盤貴子 / 親海小夜子
池松壮亮 / 山田海斗
佐津川愛美 / 海斗の彼女
勝村政信 / 親海光太郎

スタッフ
監督・脚本・編集:東陽一
原作:井上荒野
撮影:辻智彦
制作プロダクション:シグロ / ホリプロ
配給:キノフィルムズ
製作年:2016年
製作国:日本
日本公開:2016年9月10日




昼間から夫婦で何してるんですか^^;

夫 、娘に囲まれて不自由なく一戸建てに暮らす小夜子。
そんなどこにでもいるような主婦があることをきっかけにたがが緩んだように変化していくさまを描く。

夫 光太郎は仕事で忙しく妻とゆっくり会話をする時間もない。
娘は中学生、親をうざがるお年頃。
夫としては一応体裁よく妻を気遣ってはいるのだが、心ここにあらずといった感じが伺える。
妻はそれに気付いている風だ。
ただね、忙しい中でも昼間から「ごっこ遊び」みたいなエッチしたりしてたり...なんか妙な夫婦。
引っ越したばかりで話し相手もなく、1人取り残された感に囚われていく小夜子を捉えたのは、そう ―― よくある業務用のお世辞まじりの会話で笑って、心地よくなって気が紛れることがある。アレだ!
髪にほのかに残るシャンプーの香りと海斗との楽しい会話が小夜子の心に入って絡みついて離れなくなる。
小夜子は海斗が営業で送ってきたメールに返信し、何度かメールをやり取りするうち、美容院にイタズラ電話を掛けるようにもなる。
2週間しかだっていないのにまた美容院を訪れ、雑談で何気に海斗が口にした「メゾネットタイプのアパートに住んでいる」と言っていた自宅を訪ね、ドアノブにイチゴが入った袋を引っかけて置いて来る。
ヤバい、これはヤバいことになる!
だんだん、見ながらざわざわしてくる。
さすがにここまでやってしまったら、ストーカーに限りなく近いでしょう⁇
この一連の行動は見ていて痛々しくもあるのだが、本人は悩んでいる風もないし、しれーっとしているのだ。

唯は海斗のどっちつかずの態度に穏やかでない

実は彼女は海斗に一切恋愛感情は抱いていないから、なおさら厄介だ。
彼女にしてみれば、唯々たわいもない話をしていたいだけなのに――
そして、とうとう大変な事態になる。
海斗の彼女 唯(佐津川愛美)がいる時にアパートに押しかける、偶然ではあるのだろうが。
海斗の彼女が感情剥き出しで談判をしに、小夜子の自宅を訪ねる。
どうなることかとハラハラしたものの、
夫は
「私の妻はそんなことをするような人間ではありません」
という、至って冷静な対応で予想外の結果に――
このダンナ、本気で心配してないな...というよりも的外れで妻の心が分かってないんだろうな。
いやいや、取り繕っているだけなのかもしれない。

小夜子の行動は少し行き過ぎだ。
しかしながら、世の人々は心に寂しさを抱えて生きていて、人に何か伝えあい何かを返してもらう(反応してもらう)ことで安らぎを求めているのだと思う―― 全く同じ寂しさではないにしても、そしてさすがに小夜子のような行動には至らないだろうけれども。
彼女が純粋というか、本人が真面目であればあるほど見ている側はドキドキもしつつ、何やら可笑しくもなってくる。

小夜子だけなく、海斗は営業用の会話で体よくうまくやっていて、ちょっとくらいヤバイ客も職業上断らないのだ。
ところが、彼は彼で必死に抑え込んでいるがヤバイ内面を持っている ―― 映画の中では詳しくは語られないところだ。
相変わらず得体の知れない人物を演じさせたら面白くなる俳優、池松壮亮...さすがだ!
ボソボソ言うセリフの言い回しがMOZUの新谷と同じでこれだわぁっ〜て感動 !!
常盤貴子さん。
もちろん大人の女性なのだが、彼女の顔の造り―― 特に鼻の下から顎にかけて―― が童女のようなので、この役はぴったりだと思った。

ラスト近くで、小夜子の娘が未来の小夜子たるを思わせる台詞を言うのだが、ドキッとさせられつつこれまた面白い。
好みの作品でした。








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